ロシアのプーチン大統領は7日、露北西部サンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラムの全体会合に出席し、ウクライナでの「特別軍事作戦」を巡り、「最終的な勝利のために核兵器を使う必要はない」と語った。核兵器使用の可能性を限定し、現時点での使用については否定した。プーチン氏は直前まで核兵器の使用を示唆する発言を繰り返していた。
プーチン氏は、国防の基本文書「軍事ドクトリン」に基づき、国家の主権や領土的一体性が脅かされるなどした「例外的」な場合にのみ核兵器の使用が可能となると改めて主張。その上で「そのような状況が訪れるとは考えていない」と述べた。一方で、ロシアを巡って世界で何が起きているかを注意深く観察していると強調。「このドクトリンに何らかの変更を加える可能性は排除していない」とも述べ、ウクライナを支援する欧米をけん制した。
プーチン氏は、フォーラムが開幕した5日に各国の通信社と記者会見を行い、核兵器の使用を前提に、主権などが脅かされれば「あらゆる手段を講じる」と訴えていた。
また、会合では、軍への追加動員についても言及し、「必要はないし、計画もしていない」と否定した。プーチン政権は2022年9月に部分的動員令を発令し、約30万人の予備役を招集した。しかし、国民の反発が強く、契約兵の募集に切り替えて兵員の増強を進めている。プーチン氏は「今年に入ってからすでに16万人以上が新たに軍と契約し、毎日1000人以上が登録に訪れている」と述べた。【モスクワ山衛守剛】
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