来月、総選挙を控えるイギリスで与党保守党を率いるスナク首相と最大野党・労働党のスターマー党首による初めてのテレビ討論が行われ、経済政策や移民問題などで激論を交わしました。

保守党・スナク首相
「(労働党の政策では)すべての勤労者世帯で2000ポンドの増税になる。これは重要だ。労働党は増税する。それが彼らのDNAだ。仕事、車、年金、何でも課税する」

最大野党・労働党スターマー党首
「超金持ちは税金を払うべきだと思う。超金持ちのための抜け穴をなくしたいのだ。石油・ガス会社は公平に負担すべきだと思う。そうしたものに増税し、ほかは引き上げない」

4日夜に行われたテレビ討論でスナク首相は、インフレの抑制などこれまでの実績を強調するとともに野党・労働党の政策が実行されれば日本円でおよそ40万円の増税になると繰り返しました。

一方、労働党のスターマー党首は保守党政権が14年間にわたり経済的混乱をもたらしたと批判、増税の方針はエネルギー企業など一部に限られると強調しました。

また不法移民問題をめぐってスナク首相はアフリカ・ルワンダに強制移送する法律を成立させたことを成果としてアピールしましたが、スターマー党首は移送計画を取りやめるとし、「計画がうまくいくと思っているならスナク首相は初めての移送前に総選挙としなかったはずだ」と指摘しました。

この後に行われた世論調査でどちらが討論に勝ったかの質問では51%対49%でわずかにスナク首相が優勢でした。

一方、選挙に関する各種の世論調査では野党・労働党が支持率で保守党をおよそ20%リードしていて、14年ぶりの政権交代の可能性は依然、高いと指摘されています。

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