王毅外相(共同)

【北京=三塚聖平】中国の王毅(おう・き)共産党政治局員兼外相は15日、イランのアブドラヒアン外相と電話会談した。中国外務省によると、王氏はイスラエルへの報復攻撃に踏み切ったイランに対し「主権と尊厳を守ると同時に、情勢のさらなる不安定化を回避できると信じている」と表明した。

中国側によると、アブドラヒアン氏は在シリアのイラン大使館が攻撃されたことに関する自国の立場を説明し、「イランには主権が侵害されたことに自衛の反応を行う権利がある」と主張した。同時に「現在の地域情勢は非常に敏感だ。イランは自制を保つ考えで、情勢をさらに激化させるつもりはない」との方針を示した。

王氏は、イラン大使館への攻撃について「重大な国際法違反で認められない」と非難した。報復攻撃について「限定的なものだった」などと述べ、イラン側の主張に理解を示した。

王氏は同日、サウジアラビアのファイサル外相とも電話会談し、イランのイスラエルの報復攻撃について協議した。王氏は現在の情勢はパレスチナ自治区ガザでの衝突が波及したものだとの認識を表明。早期停戦や、パレスチナ国家樹立による「2国家共存」案の実現が「問題解決の方向だ」との立場を改めて示した。

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