南アフリカで29日に行われた総選挙は30日開票が進み、かつてネルソン・マンデラ氏が率いた与党アフリカ民族会議(ANC)が1994年の民主化以来初めて、国会で過半数を割る公算が大きくなった。
選挙管理委員会によると、開票率約2割の段階で、ANCの得票率は40%台前半にとどまっている。白人や混血グループ「カラード」を支持基盤とする「民主同盟」(DA)や、極左的な主張で黒人の間で支持を集める「経済的解放の闘士」(EFF)が続く。
地元テレビ局eNCAは、ANCの最終的な得票率を45%と予測した。
反アパルトヘイト(人種隔離)闘争を率いたANCは、94年に初めて全人種が参加して行われた民主的な選挙で圧勝し、マンデラ氏が大統領に就任。以降、30年にわたり政権を担う。
だが、歴代政権下で汚職や腐敗が深刻化し、国民は不満を募らせている。2019年の前回選挙では、ANCの得票率は過去最低の57・5%だった。【小泉大士】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。