北朝鮮が飛ばしたとみられる風船。韓国中西部の忠清南道で見つかったもの=韓国国防省提供

 北朝鮮が韓国に向けてごみなどが入った袋をぶら下げた風船を飛ばした問題で、ソウルの日本大使館が入居するビルの屋上にも同様の風船が落下したことが判明した。大使館関係者が30日、明らかにした。

 一方、韓国軍合同参謀本部は30日、袋にはタバコの吸い殻や堆肥(たいひ)、使用済み乾電池などが入っていたが、化学汚染物質は確認されていないと明らかにした。当初、韓国メディアは排せつ物とみられるものもあると報じたが、人間の排せつ物は確認されなかったという。

 北朝鮮は、韓国の団体が北朝鮮に向けて体制批判のビラなどを飛ばしたことに対する対抗措置だとしている。金与正(キムヨジョン)朝鮮労働党副部長は29日、風船を飛ばす行為は「表現の自由」だとする談話を発表していた。

 韓国統一省は30日、「住民の意思表現が深刻に制限されている北朝鮮の『見せかけだけの表現の自由』を我々と同じ目線で論じることが正しいのか問いたい」と反論する談話を発表した。【ソウル日下部元美】

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