ウクライナのゼレンスキー大統領は27日、スペインのサンチェス首相とマドリードで会談し、2国間の安全保障協定を結んだと発表した。今年中にスペインがウクライナに対し10億ユーロ(約1700億円)相当の追加軍事支援を行う。
スペインの有力紙エルムンドなどによると、協定は「軍事物資の供給網の停滞解決に取り組む」としている。協定の期間は10年で、支援額は毎年見直される。サンチェス氏は会談後、ロシアによるウクライナ侵攻が長期化しつつあることから「支援を倍増することが、これまで以上に必要だ」と意義を強調した。
ゼレンスキー氏は欧米諸国に対し、防空システム「パトリオット」のさらなる供与を求めている。ロイター通信によると、サンチェス氏は現時点での供与は難しいとした上で、今後検討する考えを示した。ゼレンスキー氏は「スペインだけでは無理だが、世界中には(供与可能なパトリオットの)システムが十分ある」と述べ、各国と調整して実現するよう促した。
侵攻の長期化をにらみ、ウクライナは欧州各国などと安全保障協力に関する2国間協定を結んでいる。2国間の協定締結は10カ国目。【ブリュッセル岡大介】
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