11月の米大統領選で復権を目指す共和党のドナルド・トランプ前大統領(77)は18日、南部テキサス州で演説し、6月27日に予定される民主党のジョー・バイデン大統領(81)との討論会で事前の薬物検査実施を要求した。3月の一般教書演説でバイデン氏が「(気分が)ハイになっていた」と指摘。根拠のない薬物使用疑惑をにおわせることで、ライバルを中傷し、揺さぶる狙いがあるとみられる。
トランプ氏は演説で、2023年7月にホワイトハウスでコカインが見つかった事件を念頭に「彼(バイデン氏)はまだ白いモノを探しているんじゃないか。誰もが(過去に薬物依存症だったバイデン氏の次男)ハンター氏のものだと思ったが、もしかすると他の誰かのものかもしれない」と発言。さらに「バイデン氏は一般教書演説で非常に高揚していた。だから、我々は討論会の時には薬物検査を要求すべきだ」と述べた。
バイデン氏の3月の一般教書演説は、大統領選に向けた「第一声」の意味合いがあった。普段の公務と比べて言動に張りがあり、民主党内では「力強いメッセージだった」と高評価だったが、トランプ氏はこうした経緯を逆手にとってバイデン氏をからかった形だ。
一方、トランプ氏は、6月の討論会で司会を務めるCNNのジェイク・タッパー氏を「フェイク(偽の)・タッパー」と中傷した。CNNが自身に批判的なことを踏まえて「彼はいかにフェアに進行すべきか、大きな重圧を受けているだろう」とけん制した。【ワシントン秋山信一】
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