トランプ前米大統領=2023年4月、AP

 11月の米大統領選で復権を目指す共和党のドナルド・トランプ前大統領(77)は17日、副大統領候補の討論会を黒人学生が多い南部バージニア州立大学で開くべきだとの考えを示した。大統領候補の討論会についても、既に決まった6月と9月に加えて、スペイン語テレビ局からの開催提案を受け入れると表明。従来は民主党支持者が多かった黒人や中南米系など人種的少数派(マイノリティー)を重視する姿勢を示し、民主党のジョー・バイデン大統領(81)に揺さぶりをかけた。

 トランプ氏は自身のソーシャルメディアで「まだ副大統領候補は選んでいないが、(保守系)FOXニュースの討論会の提案を受け入れる。会場はバージニア州立大学が望ましく、実現すれば(過去の人種隔離制度の下で主に黒人が通った)歴史的な黒人大学で初の開催となる」と述べた。

 バイデン氏の陣営は16日、副大統領候補の討論会をCBSニュースのスタジオで開く案に同意したと発表していた。主催局や開催場所で両陣営の意見が相違しており、実際に開催されるメドは立っていない。

 副大統領候補の討論会は、民主党のカマラ・ハリス副大統領(59)と、7月の共和党全国大会で指名される候補との間で行われる。バイデン、トランプ両氏とも高齢で、2025年以降の4年間の任期中に職務を継続できなくなる事態が起きる可能性もあるだけに、緊急時に職務を引き継ぐ副大統領候補が普段以上に注目されている。【ワシントン秋山信一】

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