トランプ前米大統領(77)が不倫の口止め料を不正に処理したとされる刑事事件の裁判で、当時の顧問弁護士マイケル・コーエン氏(57)が16日、東部ニューヨーク州の裁判所に証人として出廷した。米メディアによると、トランプ氏側は反対尋問で証言に矛盾があると厳しく追及。コーエン氏は信頼できないことを印象付けようとした。
トランプ氏の腹心だったコーエン氏は検察側の重要証人。これまでに、トランプ氏の指示で、元ポルノ女優で不倫相手のストーミー・ダニエルズ氏(45)に口止め料を支払ったと証言してきた。
トランプ氏側は16日の反対尋問で、コーエン氏が電話でトランプ氏のボディーガードと口止め料に関して協議したと主張する通話記録に言及した。トランプ氏側は、この通話はコーエン氏がいたずら電話をしてきた若者についてボディーガードに伝えるためだったと指摘。「(会話は口止め料に関するものだったとの証言は)ウソだ!」と主張した。これに対し、コーエン氏は「記録と書類に基づき、真実を話している」と述べた。
コーエン氏は2018年、今回の事件に絡んだ選挙資金法違反のほか、トランプ氏のモスクワでの不動産事業について議会で偽証した罪などで禁錮3年の実刑判決を受けた。発言が変遷することはたびたび指摘されており、トランプ氏側はコーエン氏を「信頼できない」と主張している。
コーエン氏は20日に再び出廷する。判事は早ければ21日に最終弁論を行うため、検察側、トランプ氏側双方に準備をするよう伝えた。トランプ氏側によると、現時点ではトランプ氏が法廷で証言するかは分からないという。【ニューヨーク中村聡也】
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