15日に来日した台湾・台北市の蒋万安市長は16日、東京都主催の国際フォーラムに登壇しました。フォーラム後、取材に応じた市長は、与党民進党の脱原発政策では必要な電力確保が難しいとして、国民党の原発稼働継続の政策に添う姿勢を示しました。

台北の蒋万安市長は16日、「安全・安心な都市」をテーマに、台北市の地震対策や気候変動に適応した都市づくりについてのフォーラムに登壇しました。

この中で蒋市長は、先月3日に発生した台湾東部を震源とする大地震で台湾インフラの老朽化が浮き彫りになったとし、「2050年までのCO2排出量ゼロの達成と、革新的で安全な都市の構築を目指す」と述べました。

台湾では安定した電力供給が課題で、今年1月に行われた総統選でも原発の在り方が争点の一つとなり、与党・民進党は2025年までの「脱原発」を掲げているのに対し、蒋市長の所属する国民党は「原発継続」の姿勢です。

フォーラム終了後、この問題について聞いたところ、蒋市長は、民進党が「脱原発」のために推進する再生可能エネルギー施設では十分な電力供給が賄えていないと述べました。そのうえで、「議会や立法府、台湾市民らと一層の対話が図られることを望む」として、国民党の原発稼働継続の政策に添う意向を示しました。

蒋市長は18日まで滞在し、17日は超党派の議員連盟「日華議員懇談会」との意見交換や、有明アリーナなどベイエリア施設を視察する予定です。

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