洪水で電柱が倒れたケニアの自宅敷地の写真を示すヤコブ・ヘックさん=愛知県岡崎市で2024年5月14日、永海俊撮影

 洪水被害が広がっている東アフリカのケニアの窮状を伝えるイベントが18日、愛知県岡崎市で開かれる。ケニアから同市を訪れている男性が現地の状況を報告する。

 この男性は米国籍のヤコブ・ヘックさん(19)。父親の仕事の関係でアフリカで生まれ育ち、5年ほど前からケニアで家族と暮らす。今年2月以降、岡崎市内でホームステイをしながらボランティア活動をしている。

 ケニアは雨期に入った3月から広い範囲で豪雨に見舞われている。首都ナイロビをはじめ各地で河川の氾濫による洪水が発生。世界保健機関(WHO)によると、5月上旬時点で約240人が死亡、約5万世帯が避難したと報告されている。

 ヤコブさんが現地の家族や友人から聞いた話などによると、とりわけ被害が深刻なのは、川沿いの危険な場所しか住むところがない低所得層だという。家や家財道具一切を流され、親戚宅や避難所となった学校などに身を寄せている。赤十字社などが現地で救援活動をしているが、干ばつの影響で元々食料品が不足しており、被災者に十分届いていない。井戸や川の水が使えなくなり、衛生状態も悪化している。

 ケニアの現状について、ヤコブさんは「多くの人に関心を持ってほしい」と訴える。アフリカでは近年、気候変動の影響で大規模な洪水被害が相次いでおり、「みんなが一緒に考え、行動することが求められている」と話している。

 イベントは、岡崎市康生通東の「グローバル・スタディーズ・カフェ」で18日午後3時から。参加費は一般2500円、学生2000円、小学生以下1000円。一部を支援に当たる赤十字社に届ける。問い合わせは同カフェ(0564・77・5839)。【永海俊】

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