イスラエルによるガザ侵攻に抗議の声を上げる市民団体のメンバーら=広島市中区で2024年5月15日午後5時59分、武市智菜実撮影

 1948年5月のイスラエル建国に伴い、多くのパレスチナ人が故郷を追われて難民となった「ナクバ(大惨事)」の日の15日、イスラエルのパレスチナ自治区ガザ地区への侵攻に抗議するデモが東京や大阪、広島などで実施された。

 ナクバは、イスラエルが建国を宣言した5月14日の翌日、第1次中東戦争が始まり、70万人以上のパレスチナ人が難民となったことなどを指す。2023年10月にはイスラム組織ハマスの攻撃に報復する形でガザ侵攻が始まった。ガザ保健当局によると、3万5000人以上が亡くなり、約4割を子どもが占めている。

 デモは在日パレスチナ人らでつくる「パレスティニアンズ・オブ・ジャパン」が呼びかけた。メンバーでガザ出身のハニン・シアムさん(27)は「イスラエルの植民地政策や民族浄化は現在進行形だ。ナクバは今も続いていることを日本の人にも知ってほしい」と話した。

 パレスチナ難民の多くが自宅の鍵を持ったまま故郷に戻れていないことから、各地の抗議では「鍵」をモチーフにした絵などが使われた。広島市の市民グループは8月6日の平和記念式典にイスラエルを招待しないよう求める2万5000筆超の署名を市に提出した。メンバーの一人でユダヤ系米国人のレベッカ・マリア・ゴールドシュミットさん(37)は「戦争の惨禍を繰り返さないと誓っている広島市はイスラエルを招待すべきではない。パレスチナ人の解放と平和のために広島の人々にも協力してほしい」と話した。【矢追健介、武市智菜実】

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