八つ葉のクローバーを見つけた篠路みどり公園でほほえむ佐々木祐一さん=札幌市北区で2024年5月13日午後6時29分、後藤佳怜撮影
写真一覧

 「珍しい八つ葉のクローバーを見つけたのですが……」。5月中旬、読者の男性から1本の電話がかかってきた。電話の主は、札幌市に住むパート従業員の佐々木祐一さん(69)。「皆さんに幸せのお裾分けをしたくて電話しました」と話す幸運の持ち主に、クローバーを探す理由を尋ねた。

 自宅を訪れると、葉が窮屈に重なったシロツメクサがコップに差してあった。数えると、大きな葉7枚の中に、小さな葉がちょこんと1枚。「とにかくびっくりだ」と顔をほころばせた。

 佐々木さんは10日、札幌市北区の篠路みどり公園を散歩中に、シロツメクサの茂みの中で八つ葉を見つけた。昨年、「幸運をもたらす」とされる四つ葉を初めて見つけて以来、散歩中は意識するが、「白内障で目が悪く、強いて探しているわけではない。今回も、歩いていると、ふと束になった部分が目に入った」という。八つ葉の発見は「出会い」のように感じた。

 佐々木さんは、2年前に亡くなった妻・圭子さんの写真の前に、四つ葉や五つ葉のコレクションを飾っている。「植物好きだった妻に喜んでもらいたくて」。八つ葉を見つけた日も、すぐに圭子さんに知らせた。

 「1人暮らしで持病もあるが、八つ葉を見つけて、日々のクローバー探しがもっと楽しみになった」。八つ葉は押し花にして、大事に飾るという。

 八つ葉の発見には、植物の専門家も驚く。北海道大植物園の東隆行助教によると、本来は三つ葉のシロツメクサは、葉っぱに成長する前の原基が踏まれるなどして傷つき、細胞の一部が分かれることで四つ葉以上になるとされているという。東助教は「八つ葉は見たことがない。非常に珍しい」と目を丸くした。【後藤佳怜】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。