札幌市円山動物園は14日、新施設「オランウータンとボルネオの森」を報道公開した。動物の福祉に重点を置いた全国初の市動物園条例制定後の初の施設。床面積は旧施設の約3倍となる1300平方メートル、高さも旧施設より5メートル高い8メートルとなり、担当者は「樹上生活を送るオランウータン本来の行動ができ、生き生きと生活できるようになった」と話している。
1977年に建てられた旧施設の「類人猿館」の老朽化を受け、2021年から約13億円をかけて新たな屋内飼育施設を建設していた。オランウータンの生息地である東南アジア・ボルネオ島のジャングルを再現するため、室内の温度を23度前後、湿度を70~80%に設定。多くの擬木や複数の池、ツタの代わりとなるロープなどを設置したほか、高所に丸いベッドを設けてオランウータンが休めるようにした。
本物の熱帯性植物も展示し、定期的に「スコール」を降らせる人工降雨設備も設けた。担当者は「施設空間を広く取って高さを出し、オランウータンの生息環境に合うように工夫している。この結果、オランウータン本来の行動も観察できるようになった」とPRしている。
円山動物園は現在、テイジロウ(27歳、雄)、レンボー(25歳、雌)、レイト(4歳、雄)の3頭を飼育。21日にオープニングセレモニーを行い、一般公開する予定。飼育状況によっては延期の可能性もあるという。【高山純二】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。