1966年に一家4人を殺害したとして強盗殺人などの罪で死刑が確定した袴田巌さん(88)のやり直しの裁判(再審)で、弁護団は10日、22日の論告求刑で検察側が行うと見られる被害者遺族の意見陳述の中止を求める意見書を静岡地裁と静岡地検に提出した。弁護団・事務局長の小川秀世弁護士は「再審公判の中で通常の裁判と同じように意見陳述を行うのはどうなのか」と疑問を呈した。
弁護団によると、亡くなった被害者の孫が意見を述べる。検察側が書面を読み上げる形で実施される見通し。孫が発生当時にまだ誕生していない点などを挙げて、小川弁護士は「被害者たちと生活したこともなく、自ら事件当時に受けた心情を陳述することは不可能」と指摘した。
一方で意見書を受け取った後、地検の小長光健史次席検事が取材に応じた。「(検察側は)まだ意見陳述をやるか明らかにしていない」とした上で、「一般論として、法律上は直系の親族である被害者の孫も認められている」などと反論した。【丘絢太】
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