埼玉県深谷市出身の実業家、渋沢栄一の肖像が起用される新1万円札発行(7月3日)が約2カ月後に迫る中、深谷市血洗島の旧渋沢邸「中の家(なかんち)」を訪れる人も増えている。大型連休中は通常の休日に比べおよそ1・7倍に。3日からは特製のうちわが配られ、関係者は「風に乗ってさらにブームが巻き起こってほしい」と期待を寄せている。
うちわの表面は新1万円札のデザインを模したイラストに「郷土の偉人・渋沢栄一 新1万円札発行」との文言が記され、裏面は「渋沢栄一の原点は深谷にあり」の力強いメッセージに「中の家」の由来などが印刷されている。市は連休最終日の6日まで、各日350枚を配布する。
「中の家」のスタッフ、仁科知樹さん(65)によると、これまで休日の見学者は200人を超える程度だったが、大型連休中は350人前後で推移しているという。「新札発行が迫る中、栄一翁への関心が高まっているのを実感しています。暑さ対策を兼ねてうちわを配ることになりました。どうせならあおいで多くの来場者を呼び込みたいですね」
相模原市から訪れた会社員、塚田高士さん(59)は「新札が発行されるので、どんな人だったのか知りたくて来ました。ブームの風? というか、景気が上向いてくれれば」と話した。
「中の家」は2023年夏、大規模な改修工事を終えてリニューアルオープン。座敷内も見学できるようになり、栄一翁そっくりの和服姿のアンドロイドロボットが目玉。近接地にある渋沢栄一記念館とともに、翁ゆかりの観光スポットになっている。【隈元浩彦】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。