北九州市民の台所・旦過市場(小倉北区)の店主らでつくる「旦過市場商店街」は4日、火災前から市場の風景や店主らの撮影を続けている、カメラ愛好家の西村忠さん(64)=同区=に感謝状を贈った。西村さんは「これからも旦過市場で撮り続けたい」と意気込みを語った。【井土映美】
西村さんは旦過市場で店を営む人たちや街並みの記録を残そうと、学習塾経営の傍ら2021年9月に撮影を始めた。市場は翌22年4月と8月に大規模火災に見舞われたが、その後も連日市場へ通い、2万5000枚ほどを撮りためてきた。
人と会話しながらシャッターを切るのが西村さんのスタイルで、写真には店主らの飾らない笑顔が写る。火災の後には北九州モノレールの旦過駅などで写真展も開いた。
再整備事業が進む旦過市場では今夏にも一部区域で解体が始まり、事業が本格化する見通しで、なじみ深い市場の風景は今後大きく様変わりする。
感謝状を手渡した旦過市場商店街の森尾和則顧問(75)は「市場は人がいて店が成り立っている。再整備後も『この人たちがいたから今の旦過がある』と分かるので、記録が残るのはありがたい」と感謝した。西村さんは「良い記録を残せて良かったです」と笑顔を見せた。
厳選100枚 青空市場で写真展
西村さんが撮影してきた写真のうち、約100枚を厳選して展示する写真展「旦過市場と生きる」が4日、火災の焼け跡に整備された旦過市場そばの仮設店舗「旦過青空市場」の一角で始まった。
写真には火災で焼失した店舗や、後継者がおらず廃業した店の営業当時の様子なども写っており、市場の歴史が丁寧に記録されている。
6月1日まで(12、19、26日は休み)。午前10時~午後4時。
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