栃木県で夫婦の遺体が見つかった事件が大きく動きました。実行役とされる元俳優の若山耀人容疑者(20)。大河ドラマにも出演していました。

■大河ドラマ元俳優の男(20)ら逮捕

 事件は“実行役”が相次いで逮捕される急展開を見せます。カメラから目を背けるように歩く男は姜光紀(カン・グァン・ギ)容疑者(20)。

 雨が降りしきるなか、じっと下を見つめる男。わずか4時間後に逮捕された若山容疑者。

 栃木県那須町で焼けた夫婦の遺体が見つかった事件。指示役とみられるのが沖縄県で逮捕された佐々木光容疑者(28)。遺体の処理などの指示を受けたのが平山綾拳容疑者(25)。

 その飲み友達で、夫婦の遺体に火を付けて損壊した疑いで逮捕されたのが姜容疑者と若山容疑者です。この若山容疑者の“経歴”について分かったことがあります

若山耀人容疑者(当時14歳)
「とても可愛らしくイケメンな曇宙太郎を演じました。若山耀人です」

 若山容疑者は大手事務所に所属していた元俳優というキャリアを持ち、子役時代から大河ドラマにも出演していました。

 岐阜県出身で、10歳の時には地元の観光大使を務めています。まだ、あどけない笑顔を見せていました。

若山容疑者と一緒に仕事をした人
「コメントをもらうにしてもハキハキしていた。本当にいい子でした。どういった活躍をされるのかなというなかでの事件だったので驚いている」

■「実行役」か 元俳優の男 語った夢

 6年前に公開されたアクション時代劇「曇天に笑う」では主人公の弟を演じました。舞台あいさつで将来の夢を語っています。

若山耀人容疑者(当時14歳)
「(身長は)12から13センチ伸びた。身長が伸びたら(主人公の)相棒的な感じでタッグを組んでアクション…」
「欲しいものを欲しいだけ買って、やりたいことをやりたいだけすると笑顔になる。現場でサプライズで祝っていただいて」

 その同じ年。実力派俳優がそろい、家族の在り方を描いた舞台「黄昏」にも出演しています。

 順風満帆にも見えた芸能生活。この2年後には事務所を辞めたとみられ、さらに4年が経って今回の事件が起こります。知名度もあるなかで、なぜ逮捕されたのでしょうか。

元埼玉県警捜査1課 佐々木成三氏
「今回、彼らに関しては動機もないということと殺害するメリットがまずないので、金銭の受け取りしかないと思う。金銭のほんと目先の欲だけで犯行に手を貸してしまったという稚拙な関係があるんじゃないかなと。だからこそ稚拙な主体性がない。言われたことだけをやっているような遺体の処理の仕方」

 若山容疑者が逮捕されたのは千葉市若葉区。知人宅にいたところを確保されました。

 一方、姜容疑者が確保されたのは神奈川県大和市。ホテルから3人と出てきたところを確保されました。1人は姜容疑者の彼女とみられ、3人はいずれも事件とは関係がない人物です。

 若山容疑者らは平山容疑者から車を借り、都内の空き家で宝島さん夫妻と接触。その後、栃木県に向かう姿が防犯カメラに映っていました。3人の関係性についても分かってきました。

平山容疑者の供述
「姜と耀人と同じ場所で知り合った。2人に報酬を払った」

 東京・渋谷のクラブで知り合い、そこから何度か飲んだそうです。

 一方、沖縄県で逮捕された佐々木容疑者は元々、福岡県でボーイをしていましたが突然、上京することになったそうです。去年11月に会った知人が上京する時の様子を語りました。

佐々木容疑者の知人
「急に泣き出して『どうした?』って聞いたら、(佐々木容疑者が)『もうキツイっすよ。色々あって』って。地元出た理由が逃げる感じで出て行った。逃げるように出て行って熊本に逃げた」

 半年前、福岡県から上京したある事情が分かってきました。金銭トラブルを抱えていたようです。

■「熊本に逃げた」 知人語る 素顔

 栃木県那須町で夫婦の遺体が見つかった事件。指示役とみられる、沖縄県で逮捕された佐々木容疑者の知人に話を聞きました。

佐々木容疑者の知人
「全然そんな感じの子じゃない。(佐々木容疑者は)おとなしい」

 知人によりますと、福岡市の中洲でボーイをしていたそうです。

佐々木容疑者の知人
「その時に暴力団関係の人と付き合い出して、そこから(佐々木容疑者の)いいうわさ聞かなくなったのは。それでもめて熊本に逃げた。何にお金を使っていたのかは分からないですけど、(福岡)中洲で豪遊していた時は金回り良かった。結構いいブランド品を持っていたりとか。多少、夜の仕事しているというのもあるし、暴力団の付き合いしてて、最初の方だけいいしのぎで食わせてもらってたんだなと」

 金銭トラブルで熊本県へ。そして半年ほど前、福岡県に戻ってきたそうです。

佐々木容疑者の知人
「(佐々木容疑者と)会って、ご飯食べながら話して『色々キツイ。自分、一から東京に出て全部やり直したい』と言って、『お願いがある。誰にもお願いできないから50万円貸してほしい』と。自分も佐々木容疑者のことを変な目で見てなかったから『いいよ』ってお金を貸した」

 先月まで連絡は取れていたそうですが、貸した50万円はまだ返ってきていません。

佐々木容疑者の知人
「定期的に自分(佐々木容疑者)から連絡をしてきていたので50万円貸した時も定期的、月1ぐらいでLINEでいつごろ帰って来られると思いますとか最近、元気してますかとか連絡してきた。それは多分、自分は逃げる意思はないですよ、お金払いますよという感じ。正直信じられなかった、絶対違うだろと。上の人から言われると(佐々木容疑者は)断れない性格」

 これで4人目の逮捕。捜査は今後どう進むのでしょうか。

元埼玉県警捜査1課 佐々木成三氏
「どういった役割だったのか、遺体をどのように回収したのか、現場に誰がいたのか、どういう流れで(実行役の)2人が空き家に入れたのか。それが分かってくると自然と主犯につながる捜査になる」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。