展示販売会「大黄金展」で純金茶碗が盗まれた日本橋高島屋(東京都中央区)

高島屋は12日に東京都内で開いた決算説明会で、11日に日本橋高島屋(東京都中央区)の催事場で出品された販売価格約1千万円の純金製の茶碗(ちゃわん)が盗まれた事件について、警備体制に非があったと認めた。同社の横山和久専務は「防犯体制の点検を行ってきたが、こうした事案が起きたことを重く受け止めている」と釈明。反省点として、警備員や社員などの人的不足、商品と顧客の距離感、商品ケースの無施錠を挙げ、12日から防犯対策を強化したと説明した。

盗まれたのは、8階催事場で開催中の販売会「大黄金展」に出品されていた、金工作家の名工として知られる石川光一氏の「抹茶茶碗」(販売価格1040万円)。盗まれた当時、催事場には制服を着た警備員が1人、取引先の販売員が18人前後いたが、茶碗を担当していた販売員が別の接客をしている間に盗まれたという。顧客に近くで見て、触ってもらえるような商品の展示方法をしており、商品を覆う透明のアクリルケースは鍵をかけられる仕組みではなく、アラームなどもなかった。

こうした状況に反省点があったとして、12日からは警備員を5人に増員し、商品と顧客の間に仕切りを設けて販売員が確実に1対1で接客できるよう展示方法を変更。防犯カメラの設置台数を増やすとともに、状況によって会場の入場者数を制限し、鍵付きのケースを準備するなどで防犯対策を強化したと説明した。

横山氏によると、盗まれた茶碗は、商品が売れた時点で、百貨店側がその商品を仕入れたことと見なす「消化仕入れ」と呼ばれる方式のため、損失や保険対応などは商品を納入した業者側の負担になるという。

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