大川小近くの空き地で行われた、交流拠点の現場事務所の開所式=29日午前、宮城県石巻市

東日本大震災の津波で児童、教職員計84人が犠牲になった宮城県石巻市の大川小の卒業生らでつくる伝承団体が29日、校舎近くの空き地に見学者らとの交流拠点をつくるため、現場事務所の開所式を開いた。卒業生は「『悲劇の場所』として語られる大川を、交流を通じ、明るく未来を考える場所にしたい」と思いを語った。

拠点づくりを進めるのは、任意団体「Team大川 未来を拓くネットワーク」。震災後、災害危険区域になり住めなくなった大川小周辺にかつての活気を取り戻そうと取り組んでいる。遺族や地域住民が見学者らと語り合うカフェや、地元食材の販売スペースを、数年間かけて整備する考えだ。今回開設したプレハブ型の事務所2棟は当面、会議などに利用する。

団体の代表で、小学5年で被災した只野哲也さん(24)は「記憶を次世代につなぐために、継続的な交流が大切。悲しい側面だけでなく、かつての町の姿や豊かな自然も知ってもらい、何度も足を運んでほしい」と話した。

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