2日から健康保険証の新規発行が停止された。国はマイナ保険証への本格移行を進めているが、医療現場の受付では混乱する場面もみられた。
■初めてのマイナ保険証利用に戸惑いも
3年前からマイナ保険証の読み取り機械を設置 この記事の写真このクリニックでは、3年前からマイナ保険証の読み取り機械を設置し対応してる。実際、どのくらいの人がマイナ保険証を利用しているのか?1日午前9時前、続々と患者が来院。早速、マイナ保険証を使う患者がきた。
男性(20代)「今回使うの初めてです。ピッてするだけなので特に不便なこともなく良かったです」 男性(30代)
「半年くらい使ってます。私、薬たくさん飲んでいるので、そのデータとかが他の病院とか行く時にカードに入ってると、言わなくていいので楽になるのかなとは思います」
メリットを感じる人がいる一方で…。
スタッフ「マイナンバーカードをもしお持ちでしたら」 女性
「持ってますけども」 初めてマイナ保険証を使用
初めてマイナ保険証を使うという87歳の女性は…。
女性「このまま?」 スタッフ
「顔認証を押していただいて」 女性
「マスク外さないとダメ?」 スタッフ
「そうですね。まだ押してから」 顔認証
スタッフに教えてもらいながら顔認証をする。
スタッフ「これはしないですね。しなくていいのでこのまま」 女性
「もういいんですか?これで登録されたの?」 スタッフ
「これで登録です」 女性
「今みたいについていてくださったら簡単ですけども」
「(Q.マイナ保険証、自分でやってくださいとなると?)ちょっと分からないですね」
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■続くトラブル…430万円負担も■続くトラブル…430万円負担も
マイナ保険証ではなく、従来の保険証を使う人もいる。
高校生(16)「マイナンバーカード自体持ってなくて(マイナ保険証に)移行しちゃうと不便」
「(Q.12月2日から従来の保険証が新規発行停止されるが?)全然知らなかったんでビックリです。マイナンバーカードを僕みたいに持ってない人は、急な変更に臨機応変に対応できるのかなというところは不安ではあります」 利用率は5%から急増
午前9時から午後4時までの間にマイナ保険証を利用した患者は53人中25人。このクリニックでは、これまでマイナ保険証の利用率は5%程度だったが、本格移行にあたり利用者が急増した。
しかし、トラブルもあった。マイナ保険証で受付を済ませた男性だが、その情報をパソコンで開いてみると…。
いとう王子神谷内科外科クリニック伊藤博道院長
「マイナンバー確認としてデータがきていますよね。これを取り込むと記号が表示されないんですよ」 正確に表示されず空白
保険証の企業や自治体などを表す記号部分が正確に表示されず、空白に。さらに、別の人のマイナ保険証では、住所が全く表示されないケースもあった。
伊藤院長「これはめちゃくちゃ多いです。毎日のように複数名いて。事務負担の軽減に達するためには、まだまだブラッシュアップというか、制度を改善していかないといけないと言いつつも、早もう3年」
クリニックでは、マイナ保険証を導入後、これまで使っていた電子カルテに不具合が生じ、先月22日にネットワークシステムの全面的な見直しを行った。
伊藤院長「保守、本体、連携費用を入れると、430万円ですね」 費用430万円は全額クリニックが負担
費用430万円は、全額クリニックが負担。さらに、電子カルテなどのメンテナンスに年間50万円以上かかるという。
伊藤院長「もっと完成度の高いシステムになってから、医療現場に導入をするという手順であってほしかったんですけど。最初に保険証をなくす、もう本番スタートみたいな形になっているので、もうぐちゃぐちゃしているわけですよね」
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■マイナ保険証移行で廃業決断 原因は?■マイナ保険証移行で廃業決断 原因は?
設備投資が負担になり、廃業に追い込まれるケースもある。
たつとみ歯科医院 渡邊竜登美院長(65)「皆さん、ありがたいことですがやめないでほしいと」 来年1月をめどに閉院
埼玉にある、こちらの歯科医院は現在170人ほどの患者を抱えているが、来年1月をめどに閉院するという。その原因は…。
渡邊院長「一番直接的な原因が、マイナ保険証のオンラインの資格確認システムに、うちの環境が、セキュリティーが担保できない」 設備を入れ替える必要が…
この歯科医院では現在、患者情報を院内だけで管理するシステムを使用しているが、マイナ保険証に対応するには、設備を入れ替える必要があるという。
渡邊院長「(独自システムを採用しているため)機器から入れ替えになりまして、見積もってもらった試算だと、だいたい200万円かかる」 設備の維持にも年間50万円ほど
国の補助金もあるが、設備の維持にも年間50万円ほどかかるという。
渡邊院長「非常に残念としか、残念の一言ですね」
「(Q.マイナ保険証導入が義務ではなかったら続けていたか?)続けていましたね」 保険証を残すことを訴えるデモ 全国保険医団体連合会
デモに参加した医師
「マイナ保険証だけでは国民の命と健康は守ることができません。保険証は必ず必要です。ぜひ保険証を残していただきたいと強く訴えます」
1日、健康保険証の新規発行停止を前に、全国の医師や歯科医師の有志およそ50人が保険証を残すことを訴えるデモを行った。
デモに参加した医師「マイナ保険証による資格確認の根本的なトラブルが全く改善されず、いまだに利用率は15.67%(今年10月時点)、8人に1人です」 マイナ保険証によるトラブルが「あった」と回答する医療機関は7割
デモを行った医師の団体が実施した調査では、今年5月以降、マイナ保険証によるオンライン資格確認でトラブルが「あった」と回答する医療機関は7割に及んだ。医師の訴えに耳を傾けた保険証利用者はこう話す。
マイナ保険証の利用者「マイナンバーカードでピーとやるんですけど、保険証も見せてくださいと言われますね。先月とかも病院に行ったけど、なんかそんな感じで。もうなんかよく分からない」 男性(60代)
「データの共有できるところがいいと思うんですけど、逆に怖いのは、そのデータが何か変な風に流出とか、そこですよね、一番怖いのはね」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年12月3日放送分より)
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