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 圧勝で再選した兵庫県の斎藤元彦知事が、当選の言葉で「SNSを通じていろんな広がりを持たせていただいた。そこから支援の輪もありました」とSNSの力を強調した。ある出口調査では、投票の際に「SNSや動画投稿サイト」を最も参考にした人の9割弱が、斎藤氏を支持していた。

【映像】自身の炎上話を語る堀江貴文氏

 選挙をめぐるSNSの存在感は、日に日に増している。『ABEMA Prime』では、数々のSNS炎上を経験し、衆院選への出馬経験もある堀江貴文氏が、斎藤知事の“逆転劇”に言及。20年前であれば実現しなかっただろうとの見解を示した。

■斎藤知事、大バッシングを乗り越えて再選

 斎藤知事をめぐっては、3月に県の元幹部による告発があった。「職員へパワハラ」「業者から物品受領」などが伝えられたが、知事は「嘘八百」と否定。元幹部は懲戒処分となり、7月に死亡した。これらをメディアは「パワハラ知事」「おねだり知事」などと報道していた。その後、百条委員会で疑惑調査も行われたが、結果が出ないまま選挙に突入した経緯がある。

 堀江氏は「YouTubeがパワーを持っているのは事実で、マイナーな選挙ほどそうだ」と考察する。「石丸伸二氏は安芸高田市という、ほとんどの国民が知らない自治体の首長だった。このような事例がいくつか出てきているが、全国から注目される東京都知事選は、若干テレビの方が強かったのではないか」。

 作家でジャーナリストの佐々木俊尚氏は、「ネットの力が大きくなるのは、各メディアのリーチ率を見れば予測できた」として、「10〜20代でテレビを見ている人は半分以下になっている統計もある。2010年ごろから『新聞・テレビをネット世論が上回る』と言われ続けて、ようやく時代が来ただけの話で、どちらが正義かはよくわからない」と述べる。

 その上で、「テレビや新聞は世論誘導する強権的な力もあるが、誤報は割合に少ない。ネットは民意をダイレクトに反映するが、フェイクニュースや陰謀論にハマりやすい。どっちもどっちだが、多くの人には『メディアは強者で権力だ』という意識があり、それがようやく崩れつつある」。

■斎藤知事を復活させたネット上での様々な声

 堀江氏は「今回の兵庫県知事選で、斎藤再選の原動力になったのは、NHKから国民を守る党の立花孝志氏だ」と語る。「政見放送に感動した。発言が100%本当かわからないが、今までの立花氏の演説でピカイチだった。『斎藤さんに票を入れてください』に感動して、めちゃくちゃ再生された。わかりやすく論点を伝えれば、切り抜きもふくめて、勝手に拡散される」と評価する。兵庫県知事選で独自の選挙戦を展開した立花氏は泉大津市長選へ出馬の意欲を見せていて、3選を目指す現職の南出賢一氏との選挙戦になるとみられている。

 文芸評論家の三宅香帆氏は、「新聞・テレビとSNSの一番の違いは、能動的な“自分が参加している感”があるかだ。今回も斎藤知事本人のアカウントより、応援アカウントが大量に出て、拡散力が広まった。支持者が『切り抜きたい』と思う参加感のある選挙は、今まで作られていなかった」と指摘する。

■堀江氏、実体験から語る「僕が大炎上した時、ネットもなくてやられたい放題だった」

 堀江氏は「僕が大炎上した時、ネットもなくてやられたい放題だった」と振り返りつつ、現代においては「反論する機会を与えられた。斎藤知事も20年前だったら、絶対に復活当選していない」との持論を語る。

 リディラバ代表の安部敏樹氏は、「これまでのメディアは、双方の言い分を聞いた“推定無罪”ではなく、一方的に“推定有罪”で断じていた。SNSの登場で、互いにレビューして、比較的正当性が出るようになった」と見ている。

 これに堀江氏は「推定無罪の原則が、ある程度、担保できるようになった」と同調する。「本当の意味での“両論併記”が行われるようになった。テレビで上がらない声も、ネットから上がる。個人が集中砲火を浴びても、SNSを武器に戦える。昔はどこも助けてくれず、週刊誌にタレコむしかなかった」。
(『ABEMA Prime』より)

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