愛媛大学は28日、2026年度入試から工学部で「女子枠」を導入すると発表した。二つのコース・プログラムの計13人の募集を女性に限る。仁科弘重学長は同日の記者会見で「深刻な人口減少に直面し、経済成長や社会の持続可能性が危ぶまれる状況を打開するには女性人材の育成・活躍が不可欠だ」と導入の意義を語った。
工学部の女子学生の割合は24年5月時点で15・0%と全体の41・6%に比べて低い状況で、多様な人材育成を進める同大にとって課題となっていた。導入によって、多様性のある学習環境の充実や女子学生の意欲向上などが期待される。
大学入学共通テストの成績に加え、面接と志望理由書によって合否を判定する総合型選抜で導入され、「化学・生命科学コース」で10人、「デジタル情報人材育成特別プログラム」で3人を募集する。森脇亮・工学部長は「(女子枠導入で)高校生にとって工学部に進むことを選択肢として考えやすくなる。工学に興味を持ち、理解を築くきっかけになる」と期待を示す。大学側は導入をきっかけに一般枠での志願者増にもつなげたい考えだ。
文部科学省によると、25年度大学入試で理工系学部に女子枠を設けた国公立大は30校。24年度の14校から2倍以上となった。四国では、高知工科大学がデータ&イノベーション学群で導入し、香川大学が創造工学部に女子優先枠を設けている。【山中宏之】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。