不登校離職の実態

 子どもの不登校をきっかけに保護者が離職に追い込まれる「不登校離職」の実態を調査した、NPO法人「キーデザイン」(宇都宮市)は来月3、5日、企業の人事担当者などを対象にオンラインでセミナーを開催する。子どもの不登校に悩む従業員に対し、どうサポートし離職を予防するかについて解説し、新たな社会課題「不登校離職」について企業と連携して支援に取り組む。【松沢真美】

 同法人は今年2月、2020年から開設している保護者向けのLINE相談窓口「お母さんのほけんしつ」で、登録者約4300人を対象にアンケート調査を実施した。子どもの不登校により離職(休職、退職)した保護者は5人に1人、心の不安定さを感じている人は9割に上った。

 実際に離職した人からは「子どもへの対応で早退欠勤が増え、職場に理由を伝えるのが辛くなった」「思うように仕事が進められず、職場に申し訳なく、子どもを家に1人で置いていく罪悪感を持ちながら過ごしていた」など切実な声があった。いずれも職場環境、仕事の内容も良く、経済的にも辞めたくなかったが、子どもと過ごすことを優先し退職したという。一方で、職場に理解者がいることで精神的な負担が減り、望まない離職を避けられたというケースもあった。

 これらの調査から早い段階で保護者支援に取り組もうと、初めて企業向けに「不登校離職予防セミナー」を実施することにした。セミナーでは「不登校が増える背景」、「不登校に悩む社員をどう支えるか」について同法人の土橋優平代表が解説する。

 両日ともに同じ内容で、時間は午後2時~3時半。参加無料。各回定員50人。問い合わせは同法人(080・1853・6296)またはメール(npokeydesign@gmail.com)。

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