東京・池袋で2019年、母子が死亡した暴走事故を起こした飯塚幸三受刑者(93)が死亡していたことが関係者への取材で判明した。都内の刑務所で、10月26日に高齢のため死亡したという。
事故は19年4月19日に東京都豊島区東池袋4の都道で起きた。飯塚受刑者の乗用車が交差点に進入。松永真菜さん(当時31歳)と長女莉子ちゃん(当時3歳)がはねられて死亡し、9人が重軽傷を負った。
飯塚受刑者は自動車運転処罰法違反(過失致死傷)に問われ、東京地裁に禁錮5年の実刑判決を言い渡され、21年10月に収監。その際、支援団体を通じて「遺族に申し訳ない。罪を償いたい」とコメントした。
妻子を亡くした松永拓也さん(38)は検察庁からの通知制度で、死亡を知ったという。25日に沖縄県内であった講演会で「刑務所で亡くなり、きっと無念だったと思う。遺族にも加害者にも誰しもがならないよう、(再発防止の)活動を続けていく」と語った。
松永さんは今年4月、刑務所の職員を通じてやり取りする「心情伝達制度」で、飯塚受刑者から改めて謝罪の意向を伝えられた。5月には、刑務所での面会も実現していた。
松永さんは講演後の取材に「妻と娘と出会うことがあるなら、一言謝ってほしい」とし、「加害者にしか分からない苦悩があったと思う。託されたと思って、再発防止のために彼の言葉を社会に伝えていきたい」と述べた。【喜屋武真之介、加藤昌平】
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