ノーベル化学賞に選ばれ、世界的なAIブームを呼び起こすきっかけとなったAI囲碁「アルファ碁」の開発者が来日し、日本の棋士と記念の対局を行いました。

デミス・ハサビス氏
「日本棋院に来られたことをうれしく思う。まさに囲碁の故郷と言える場所」

 井山裕太王座と記念対局を行ったのは、「グーグル・ディープマインド」社のCEOデミス・ハサビス氏です。

 ハサビス氏は、アミノ酸の配列からタンパク質の立体構造を予測する作業を高速化したAI「アルファフォールド」を開発し、今年のノーベル化学賞を受賞しました。

 8年前の2016年には、囲碁で初めてトッププロ棋士を倒したAI「アルファ碁」を開発して衝撃を与え、世界的なAIブームを呼び起こすきっかけとなりました。

井山裕太王座
「アルファ碁の出現はとても衝撃的で、これまでの囲碁の世界とアルファ碁が登場以降の囲碁の世界では囲碁の内容など色々なことががらりと変わった。それくらい大きな影響を与えた存在だった」

 2016年は、井山王座が7大タイトル独占の偉業を達成しましたが、その年の日本囲碁ジャーナリストクラブ賞には、「コンピュータでは不可能と思われていた『プロに勝つ』ということを実現させ、囲碁界にも多大な影響を与えた」として「アルファ碁」が選ばれました。

デミス・ハサビス氏
「アルファ碁は全世界にAIが持つ潜在能力を示した。アルファ碁なくしてはアルファフォールドもなかった」

 その後、日本棋院から「世界の囲碁界に多大な貢献をされた」として、最高位の九段の免状が贈呈されました。

 ハサビス氏は一力遼棋聖との対談で「次のフェーズ、向こう10年間はそれぞれの分野の専門家がAIをツールとして活用することで、目標により早く達成できるようになる。それが囲碁のみならず、多くの分野でみられるようになるだろう」と話しました。

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