4月の衆議院補欠選挙で、別の陣営の選挙カーを追い回すなどして罪に問われている『つばさの党』の関係者たちの初公判が開かれました。
つばさの党代表の黒川敦彦被告(46)は、法廷に響き渡る大声で無罪を主張しました。
この記事の写真 黒川敦彦被告「我々の行為は政治的に意味のある適切な行為で無罪です。『よくやった、もっとやれ』という声をたくさんもらっています。権力者を批判した黒川を逮捕するのは、絶対にやってはいけないことだ」
9人の候補者で争った衆議院東京15区の補欠選挙。金澤結衣さんにとって、街頭演説が最も重要な選挙活動でしたが、拡声器で執拗に詰問されるなどしたため、演説内容の変更を余儀なくされました。
金澤結衣氏「子どもたちが、その場にたくさんいたので、ここは塾もあって、子どもたちも多い。SNSで(街頭演説を)告知すると、そこにつばさの党が来てしまうので、告知もできない。もう選挙自体が成り立ってないのと同じようなものだと思います」
つばさの党からは、根本良輔被告(30)が出馬していました。選挙活動として許可を得た車やマイクを使っての“妨害行為”です。その様子を誇らしげにネット配信していた被告ら。選挙カーを追いかける“カーチェイス”も立件されました。
選挙期間中、連日のようにほかの候補者の元を訪れ、妨害を繰り返していたとされています。
立憲民主党の酒井なつみさん陣営は、約3キロ追尾され、拡声器で詰問を受け続けるなどし、警察に逃げ込みました。
立憲民主党・酒井なつみ衆院議員「警察もどう対応していいかわからなかったみたいなんですよね。選挙期間中に(つばさの党は)候補者でもあるので、選挙結果に影響を及ぼすことを懸念していたんだろう。この裁判の行方を注視しなくてはならないし、選挙期間中に、取り締まれるよう求めていかなくてはいけない」
サポートを受けながら街頭に立っていた乙武洋匡さんは「悔しかった」と話します。
乙武洋匡氏「後半戦は、選挙カーの中から思いを届ける方向に切り替えざるを得なかった。大事なことは、法を改正するか否かではなく、ああいった行為を、今後、社会として許していくのか、いかないのか。私は許していくべきではないと思っているので、今の法律のままでいいか良くないか、裁判を踏まえ考えるべき」
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■黒川被告「適切な行為」無罪主張検察側は「1日最低2陣営攻撃するスタイルです」などと、党内で交わされたラインのやりとりを証拠として提出しました。
検察側(冒頭陳述)「相手候補は演説できず、聴衆が聞き取ることも困難だった。撮影した動画が注目を集め、収益が上がることも期待していた」
一方、弁護側は「公職選挙法の“選挙の自由の妨害”とは、何が犯罪となる行為なのか不明。政治的表現活動であり、このような活動に対して刑罰を科して処罰することは、政治的表現の自由を保障する憲法に違反する」と主張しています。
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