横浜地裁=洪玟香撮影

 LGBTQなど性的少数者の子どもや若者らの居場所作りに取り組む一般社団法人「にじーず」が、SNS(ネット交流サービス)上に事実に反する内容の投稿をされて中傷を受けたとして投稿者を相手取り約140万円の損害賠償を求めた訴訟で、横浜地裁(大竹貴裁判官)は20日、被告に33万円の支払いを命じた。にじーずの代理人弁護士は「LGBT支援団体に対する名誉毀損(きそん)が認められた判決は初めてと思われる」としている。

 判決などによると、被告は2023年10月、X(ツイッター)に「LGBTの子がいなければ、LGBTの子を作り出す。差別がなければ差別を作り出す」などと投稿。にじーず側が発信者情報の開示を請求して投稿者を特定した。投稿者は訴訟で、差別はないとする、ある当事者の話を基に「性的少数者であることを理由とした差別は存在しない」などとして投稿内容は真実だと主張した。

 判決は問題の投稿について、別の投稿の内容も踏まえ「原告の社会的評価を低下させることは明らか」と指摘。被告の主張についても「ごくわずかな人数の体験を基に性的少数者への差別が存在しないということはできない」と退けた。

 にじーずによると、22年ごろからX上で嫌がらせや中傷を多く受けるようになり、法人のアカウントは閉鎖に追い込まれたという。【藤沢美由紀】

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