十分に加熱処理せずに牛レバーの加工品を製造、販売したとして、京都府警は20日、大分県中津市の食肉加工会社「Meフードシステム」の社長ら2人を食品衛生法違反の容疑で逮捕した。同社の「牛レバーハム」はオンラインでの販売も含め2023年度だけで約32万個販売され、中津市のふるさと納税の返礼品にもなっていた。同社が取引していた個人、業者は34都道府県に及び、府警は全国に流通していたとみて捜査を進める。
逮捕されたのは同社社長の枡田治基(66)=中津市=と、同社社員で食品衛生管理者、浜田豊市(66)=福岡県豊前市=の両容疑者。
逮捕容疑は23年11月~24年6月ごろ、同社の加工所で国が定める基準に適合しない方法で牛レバーの加工品を製造し、販売するなどしたとされる。浜田容疑者は「故意に(加熱不足に)したということはない」と容疑を否認し、枡田容疑者も否認しているという。
厚生労働省は牛レバーハムなどの加工品については、中心部の温度を63度で30分間加熱する必要があるなどと定めている。府警によると、この商品は47、48度で40分ほどしか加熱しておらず、熱が十分に通っていないことなどが府警が依頼した調査機関の検査などで判明したという。
今年1月、京都市内の飲食店で生レバーが提供されているとの情報があり、府警が捜査していた。【水谷怜央那】
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