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 1100万人。

【映像】地方の中小企業の深刻な状況が分かるグラフ

 2040年にはこれだけの労働力が不足するという(リクルートワークス研究所発表)。近年、日本の働く人手不足は深刻で企業にとっては人材の確保が重要な課題になっている。

 中でも中小企業は深刻で、全国の中小企業の事業責任者を対象にしたアンケートによると、約3割が「募集しても応募がない」と回答し、さらに「応募はあるが、応募者の資質が自社の求める水準に満たなかった」という回答も3割あり、中小企業の採用活動の厳しさが見て取れる。

地方企業の採用活動の問題点

 地方企業に特化した採用支援サービス「地方採用WORKS」を運営する株式会社リーピーの川口聡代表は、地方の中小企業では応募が「全く来ない」「一人も来ない」ことが多いと説明する。

 若者が都市部に流出している地方では、地元の人材の採用にも様々な問題があり、中小企業の採用活動が厳しい状況にあるという。

「地元だけでは欲しい人材はほぼ採用できない、という大きな課題がある。その上、車社会であるため『通勤可能範囲内』という考え方が大事になってくる」(川口代表、以下同)

 在宅でのテレワークに取り組む会社も少なく、その“範囲内”にこだわっていては必要な人材を獲得できない今、採用の仕方を変える必要がある。

「地方企業においては、採用自体が経営戦略の一つだ。企業から積極的にアプローチしていかないと知られる機会もなく、移住採用に至ることは絶対にない。地元だけにこだわらず、隣の県、さらには遠方のエリアまで自社の採用活動を広げることが秘訣だ」

 さらに、地方企業の採用活動にはいくつか問題点がある。

・採用担当者が総務などの業務と掛け持ちで行い、片手間状態。ハローワークに求人を出すだけの採用活動になってしまう。

・20、30代がほとんどいない会社が多く、新卒が入っても先輩は10〜15歳上。空洞化した構造で辞めてしまう悪循環がある。

・都市部に出て行った地元の若者を呼び戻す採用活動ができていない。

「人が欲しいのに、採用活動のやり方がわからない会社が多い。求人票を出していない会社が多く、その結果、求職者が企業を見つけられないというミスマッチが生じている」

 数百社の採用活動を支援してきた経験から、川口代表は地方の中小企業の採用がうまくいくためには「地方ならではの暮らし方や“最先端ではない”こと、会社の家族的な雰囲気など、逆にその点をありのままアピールすること」「一方で、採用手法やテクニックは都市部のものを取り入れること」が重要だと語った。

人手不足の要因は「給与」と「情報」

 みずほリサーチ&テクノロジーズ主席エコノミスト 河田皓史氏は地方で人手不足が深刻化している要因として「給与」と「情報」を挙げた。

「大企業と比べると中小企業はどうしても給与水準が低い。そのため、同じような仕事であれば、大企業の方に流れてしまう部分はある。加えて、大企業の場合は『こんな会社だ』という口コミがネットなどで見れるため判断しやすいが、中小企業の場合は『求人を出しているこの会社は本当に良い会社なのか』と判断が難しい部分がある」

 また、中小企業に限った話ではないが、東京商工リサーチの調査によると近年は「人件費の高騰」「従業員の退職」「求人難」による「人手不足倒産」が非常に増えている。

 この点について、河田氏は「三重苦のような状況だ」と説明した。

「何年か前から人手不足は指摘されてきたが、今は深刻度合いが高まってきている。人手不足に陥り、求人を出しても取れない。それでも取ろうと賃金を上げると人件費高騰で利益が苦しくなる。なおかつ転職も増えているため自社から人材が退職していく。このような三重苦のような状況にある」
(『ABEMAヒルズ』より)

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