開店と同時に完売した新城区の「新城商店」=5日、宜野湾市・新城区公民館

 沖縄県宜野湾市の新城区自治会は5日、同区公民館で移動販売「新城(あらぐすく)商店(仮称)」をプレオープンした。試験的に仕入れた野菜や老人クラブがひげ取りしたモヤシなどが並び、瞬く間に完売した。プレオープンを参考に、同区は定期開催に向けて検討する。(翁長良勝通信員)

 山城百合子自治会長はこの日、知人の青果店からジャガイモ、ニンジン、ピーマン、ミカンなどを仕入れ。中城村登又区の知人からはウンチェー、ヘチマ、トウガン、パパイアシリシリーなどを納品してもらった。

 同区老人クラブがひげ取りした10キロのモヤシと一緒に、野菜類が机の上に並べられると「待ってました」とばかりに客が集まり、完売した。豆腐も販売され、高齢者を喜ばせた。

 97歳の新城キヨさんは「公民館で買い物ができるのがうれしい。前の日に野菜を注文したよ」と笑顔。仲村美津枝さん(88)と老人クラブ会長の名幸清さん(88)は「運転免許証を返納したので、買い物が公民館でできるのがいい。さらに仲間とのゆんたくも楽しみさー」と話した。

 同区が参考にしたのは北谷町栄口区の「えぐち商店」。毎週金曜日、公民館で商店を開き、高齢者の買い物支援と安否確認で大きな実績を上げていることに感銘を受けた。山城会長らは現地を訪ねたり、えぐち商店主の島袋艶子自治会長と情報交換したりしながら、プレオープンにこぎ着けた。

 山城会長は「地域には大型スーパーが2店あり、移動販売車も来るがタイミングが合わないことも多い。1人暮らしの高齢者はタクシーか知人の車に相乗りするか、買い物を頼んでいた。高齢者のゆんたくの場、安否を確認する場を増やしたかった」と説明。「商店をいかに充実させていくか、関係者の協力を得ながら前向きに考えたい」と意気込んだ。

 市社会福祉協議会の新里祥子さんは「買い物弱者の支援がいかにあるべきか、大きな参考になった」と感想を述べた。

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