沖縄県国頭村の草地に着陸した米海兵隊の多用途ヘリコプターUH1と米軍関係者ら(右端)=同村提供

 沖縄本島最北端、辺戸(へど)岬近くの沖縄県国頭(くにがみ)村宜名真の牧草地に米軍普天間飛行場(宜野湾市)所属の米海兵隊多用途ヘリコプターUH1が不時着したことについて、沖縄県の玉城デニー知事は15日の定例記者会見で「県民に大きな不安を与えるもので極めて遺憾だ」と述べ、米軍側に原因究明と再発防止を求めた。ヘリは15日午後1時ごろに離陸し、普天間飛行場に戻った。

 ヘリは14日午後5時ごろ、岬から南西約1・6キロの民間の牧草地に不時着した。機体に損傷はなく、乗員6人にけがはなかった。周辺に民家はなく、被害もなかった。防衛省によると、警告灯が点灯したため着陸した。米海兵隊第1海兵航空団は取材に、着陸の原因は触れず「通常訓練中に予防着陸した」とした。

 玉城知事は会見で、今年に入って県内各地で普天間飛行場所属ヘリの緊急着陸が相次いでいるとして「県民の不安と不満が高まっている。再発防止に対する強い不信感を抱かざるをえない」とも述べた。中谷元防衛相は15日の閣議後記者会見で「米軍機の運用は安全確保が大前提だ。米側に安全管理に万全を期すよう求める」とした。【比嘉洋、喜屋武真之介、中村紬葵】

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