“紀州のドン・ファン”と呼ばれた資産家の野崎幸助さん(当時77歳)が殺害された事件。現在、開かれている公判で、元妻・須藤早貴被告は「遺産目当てというのは隠していない」や、男性から「覚醒剤でも買ってきてよ」と頼まれたなどと証言しました。
弁護側「購入した覚醒剤を野崎さんの口から摂取させて殺害したという事実はありますか」 この記事の写真 須藤早貴被告
「一切ありません」 須藤早貴被告
「社長本人にも『遺産をもらってほしい』と言われていて、遺産目当てというのは隠していません」
11日の被告人質問では改めて起訴内容を否認したうえで、検察側が指摘する「遺産目当て」という動機についても否定しました。
事件が起きたのは2018年5月。野崎さんが和歌山県田辺市の自宅で死亡しているのが見つかりました。死因は急性覚醒剤中毒。
殺人事件として捜査が続けられ、3年後、野崎さんに致死量の覚醒剤を口から摂取させ殺害したとして逮捕されたのが、事件の3カ月前に結婚したばかりの元妻・須藤被告でした。
須藤早貴被告(9月)「私は殺していませんし、覚醒剤を摂取させたこともありません。私は無罪です」
今年9月に行われた初公判で、須藤被告は起訴内容を否認。弁護側は無罪を主張しています。
裁判で大きなポイントとなるのが、野崎さんの死因となった「覚醒剤」です。証人尋問では覚醒剤を密売していた人物が出廷し、野崎さんが亡くなる約1カ月半前に、須藤被告から現金を受け取り、覚醒剤を渡したなどと証言していました。
弁護側「(野崎)社長からなんと言われましたか」 須藤早貴被告
「『覚醒剤でも買ってきてよ』と言われました。冗談だと思って『お金くれたらいいよ』と言ったら、社長が20万円出して渡してきました」
先週の被告人質問で、須藤被告は覚醒剤を購入したことを認めながらも、野崎さんから頼まれたことだと主張。しかし11日、捜査段階では覚醒剤の購入について話をしていなかったことが、検察側の被告人質問で明らかになりました。
須藤早貴被告「信じてもらえると思わないし、余計疑われると思って。怖い目にあうと思うので言えませんでした。警察の中でストーリーがあるのかなと」
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■野崎さんが「死にたい死にたい」と検察側の追及はさらに続きます。覚醒剤の購入方法についても…。
検察側「『薬物 裏掲示板』の検索が履歴にないのは消したのか?」 須藤早貴被告
「残っていると思っていたんですけど、逮捕後に履歴がないと知ってびっくりしました」
検察側の指摘をことごとく否定した須藤被告。ではなぜ、野崎さんが死亡したのか問われると…。
須藤早貴被告「『死にたい死にたい』と言っていたから自殺の可能性もあるし、事故で(覚醒剤の)量を間違えて飲んでしまったかもしれない」
犯行を示す直接的な証拠がないなか、須藤被告の証言の信用性をどう判断するのか。被告人質問は15日にも予定されていて、判決は来月12日に言い渡されます。
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