自民党の派閥の政治資金を巡る事件で、世耕弘成衆議院議員の政治団体の会計責任者について、検察審査会は不起訴処分とした東京地検の判断を「不当」だと議決しました。

 自民党の派閥の政治資金を巡っては、世耕議員や当時の会計責任者らが派閥からのキックバックについて収支報告書に嘘の記入をしたとして刑事告発され、その後、不起訴処分となっていました。

 告発した大学教授はこの処分を不服として申し立てを行っていて、検察審査会は先月9日付で会計責任者を不起訴処分とした東京地検の判断を「不当」だと議決しました。

 1542万円に上る不記載について「一般市民の感覚からすれば極めて高額であるといえ、会計責任者として刑事責任を負うべきである」などと指摘していて、この議決により今後、検察による再捜査が行われることになります。

 一方で、世耕議員本人については「不起訴処分の裁定を覆すに足りる事由がない」として、不起訴処分を「相当」と議決しています。

 また、検察審査会は萩生田光一元政調会長についても不起訴処分を「相当」と議決しています。

 一連の政治資金パーティーを巡る検察の処分に対し、検察審査会が判断を示したのはこれが初めてとみられます。

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