日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)は12日、日本政府に対し、核兵器禁止条約への批准を求める4万2472人分の署名を提出した。4回目の提出で、累計114万1282人分に上る。
児玉三智子事務局次長(86)や家島昌志代表理事(81)らが外務省を訪れ、担当者に署名を手渡した。家島さんはウクライナに侵攻するロシアが核の威嚇を行ったことや、パレスチナ自治区ガザ地区に核兵器を使用する発言をイスラエルの閣僚がしたことに言及。「核兵器をなくすことでしか、核戦争の危機を回避することができないのは明らかだ」と強い口調で訴えた。
核拡散防止条約(NPT)再検討会議を重視する日本政府は、核保有国が参加していない核兵器禁止条約に否定的な立場を取る。訪米中の岸田文雄首相は連邦議会の演説で「核兵器のない世界の実現」について言及したものの、米国に具体的な協力を求めなかった。
児玉さんは「敗戦後、日本はずっと米国の言いなりで、『ノー』と言えないことが拡大しているのではないか。米国の『核の傘』から出てほしい。被爆者として情けない気持ちだ」と語った。【安藤いく子】
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