首都圏を中心に相次ぐ強盗事件。SNSを使った「闇バイト」に応募して若者が犯罪に巻き込まれるケースが増加しています。だまされないためにはどこに注意するべきなのか、「詐欺対策のプロ」に聞きました。
■若者に急増「闇バイト」実態は?
20代 アルバイト
「高校の友達とかはSNS等で聞いたことがある。(闇バイトの)募集は見たことないが、うわさで『やっているよ』は聞いた。高校の友達は大学に入って3、4年時バイト何しようかなと悩んでいる時に話し掛けられたと聞いて、(友達は)断っていた」
高校2年生(17)
「(Q.『闇バイト』聞いたことは?)あったよね?聞いたことがあった、結構。夏休みに(闇バイトに)関わって2学期に来られなくなった」
「(Q.退学?)退学です」
街で話を聞くと、闇バイトは多くの若者の身近なところまで忍び寄っているといいます。
高校2年生(17)
「スマホとかインターネットで色んな情報があるので、時給が高かったりとか、そういうバイトはよく見たりする」
20代の友人が闇バイトで逮捕されたと話す人もいました。
20代 アルバイト
「友人が学費を稼ぐためにそこ(闇バイト)に入って捕まった子がいた。(友人は)週6で3つのアルバイトをやっていた。生活が厳しいということで毎月やっていたので、それで大丈夫かなと思っていたが、気付いたら…」
友人がSNSで見つけた高額バイトは、実は「受け子」の仕事だったそうです。
20代 アルバイト
「『1回の仕事でめちゃめちゃ稼げる』みたいなのを聞いて、実際にそっちに行ってしまった。新宿で受け取ってリーダーに渡すみたいな募集だったらしくて、たまたま大久保公園で見つかって捕まった」
こうした闇バイトによるとみられる関東で相次ぐ強盗事件。
千葉県鎌ケ谷市の強盗事件で23日、警察が運転役とみられる会社員の河合優介容疑者(31)と実行役とみられる保育士の前田祐一郎容疑者(25)を逮捕したと発表しました。
前田容疑者は、こう供述しているといいます。
前田祐一郎容疑者
「X(エックス)で『資金調達』と検索して犯行に及んだ」
指示を受け、免許証の写真を送ったという前田容疑者。ただ、怖くなったのか、事件当日の夕方に出頭しました。
23日、警察が押収した車を検証しました。千葉県市川市の強盗事件で自首した高梨謙吾容疑者(21)が犯行に使ったとみられるレンタカーです。
高梨容疑者は、こういう趣旨の供述をしているといいます。
高梨謙吾容疑者の供述(捜査関係者による)
「闇バイトに応募したが嫌になった」
横浜市青葉区の強盗殺人事件では、宝田真月容疑者(22)が他の実行役について「若い男だった」という趣旨の話をしていることが捜査関係者への取材で新たに分かりました。宝田容疑者は「ホワイト案件」という投稿から闇バイトに応募したといいます。
“使い捨て”とも取れる実行役などを集める闇バイト。その手口の一つが“軽い気持ちで応募させる”ということです。
20歳と21歳 大学生
「(Q.大学生だとアルバイト探したりする?)ちょっと目にはとまりますね。目にはとまるんですけど、金額も見て20万円とか30万円とか一気に稼げるってなると、やっぱり危ないのかなと思います」
23歳 大学生
「ネットを見ると大手のサイトにも載っていたりするので、気を付けなきゃ、よく見なきゃと思う。皆、使う求人サイトとか、単発バイトって書いてあっても行ったら逃げられない状況で、そのバイトをするしかないと聞いた。あの手この手でだまそうとしている感じで、情報を見極めた方がいいと思う」
■「闇バイト」見抜くポイントは?
特殊詐欺対策のサービスを提供する会社が闇バイトの実態を調査したところ、“ある特徴”が浮かび上がってきたといいます。
闇バイトの実態を調査 トビラシステムズ 岩渕るみさん
「ぱっと見で“普通の仕事かな”と思うような書き方に寄せている可能性」
実際にSNSに投稿されていた闇バイトの募集を見ると、普通のアルバイトを装っていますが、このなかに闇バイトだと見抜けるポイントがあります。
トビラシステムズ 岩渕るみさん
「『誰でもできる簡単な仕事』と書いているが、仕事の内容には詳しく触れていない。はっきり何をするか分かっていない」
「一般的なアルバイトで『ホワイト』は使わない。実際に応募すると、特殊詐欺の実行役だったり“ホワイト”ということはない」
「日当が『2万から5万円』となっていて、1件のバイトだけで高額が発生するのは怪しい」
加えて、犯罪グループの常套(じょうとう)手段が…。
トビラシステムズ 岩渕るみさん
「(闇バイトの)募集を見た人に『まずはDM(ダイレクトメッセージ)をして下さい』と。DMをした後に『詳しい話は秘匿性の高いアプリでしよう』という流れに持ち込む。『連絡はDMで』などのキーワードは“おかしいな”と踏みとどまってほしい」
それでも巻き込まれてしまったら。元刑事に対処法を聞くと…。
元埼玉県警捜査1課 佐々木成三氏
「警察に逃げ込んでほしい。警察が異例の“会見”をしている。『闇バイトに加担した人は警察に相談してほしい』と。警察は駆け込んだら守ってくれるし、犯罪に加担したらほぼ実刑だと思ってもらいたい。強盗致死の法定刑は死刑もしくは無期(懲役)。闇バイトに軽く手を染めて、取り返しのつかないダメージになることを知ってもらいたい」
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