大分県内で「結婚を前提とした交際」をちらつかせるロマンス詐欺やSNS型など特殊詐欺が多発しており、10月の2週間でおよそ3億円がだまし取られ、大分県警は非常事態の認識を示している。
【映像】詐欺に騙されやすいかを診断(チェックリスト)
ロマンス詐欺とは知らず、別府市内の50代男性は、マッチングアプリで知り合った女性からネットショップの経営を勧められ、商品の仕入れ代金などの名目で計3700万円を振り込んだ。女性とはLINEでのやりとりやビデオ通話などを通じ、結婚を前提とした交際となったというが、実際には一度も顔を合わせたことがなく、売上金が入らなくなったことで被害に気づいたという。
一方で、ロマンス詐欺を事前に防いだ例もある。2024年4月に別府市内の銀行で50代女性が「700万円のローンを組みたい」と相談。不審に思った行員だったが、いきなり「詐欺ではないか」と声をかけるとほかの金融機関でお金を借りて振り込む可能性があると判断。寄り添って話を聞いた。
50代女性は「SNSでやり取りした男性2人結婚を決めているんです。2人は海外で働く医師で、うち1人は20億円の資産を持っていて、その資産を分けるための手数料として300万円送金して欲しいと頼まれています」と話したという。さらにもう1人の男性からは「知人のウクライナの軍人にビットコインで450万円送ってほしい」と言われている、などと打ち明けた。
行員は詐欺だと見抜いて女性を説得し、警察に通報して未然に被害を防いだ。女性は完全に信じ込んでいたという。
この銀行では8月にも「SNSで知り合ったアメリカ在住の医師にパスポートの再発行費用が必要だと言われたので、口座を解約しにきた」と70代の顧客女性が相談に来たが、説明を不審に思った行員が警察に通報し、防ぐことができた。銀行員は「女性は完全に信じ込んでいたので、説得するのは難しかった」と語っている。
明星大学心理学部の藤井靖教授は「『そんな話あるの?』というわけがわからない話だというところが大事。人というのはわけのわからない話を長い時間をかけてずっと言われると、思考が停止してしまう。だからこそ法外な話のほうが、むしろ信じさせやすい」と、詐欺話を信じてしまうメカニズムについて解説。
「2人の男性と結婚する」という、日本ではあり得ない内容についても「意味がわからないから、いつの間にか本当かのように感じてしまう。理解できないから逆に信じてしまう」と説明し、顔が見えない点については「自分の心の隙間があったりすると、“いいほう”を期待してしまう」と指摘。
「もしかしたらこういう人かも」と、理想と疑いの気持ちが両方出てくるものの「意味のわからない話を言われて思考停止になり、『なんかいいほう』になびいてしまう」と、人の心理について説明した。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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