東京は16日、10月中旬以降としては、73年ぶりとなる5日連続の夏日を記録しました。また、熊本県玉名市では、32度の真夏日となるなど、54の地点で、異常な残暑となりました。
異常な暑さとなった今年。“秋の味覚”にも変化が起きていました。
この記事の写真約90の店がデパートに集結する国内最大級の北海道物産展。帯広名物の豚丼や、ウニやイクラが贅沢にのった海鮮丼と、多くの人でにぎわいを見せていますが、今回、初めて、サツマイモが登場。お客さんも興味津々です。
お客さん
「あまり(イメージ)なくて。ネーミングも『由栗いも』ってどんな感じなのか、ちょっと気になって。(子どもが)サツマイモ大好きなんです」
高島屋バイヤー 山本浩さん
「海産物、カニとか影響を受けているが、逆に温暖化で、北海道で今までとれていなかったサツマイモがとれるようになった。新しくPRしていくことが非常に大事」
活きた毛ガニを扱うお店からは、こんな声が上がります。
マルダイ水産 渡邉崇史部長
「水産物も値上がりしてしまうと“カニ離れ”が起きないように、自社で工夫しながら、カニのむき身を使ったものを作ったり、そういった努力をしている」
北海道の旬の味覚にも影響している理由は、去年に引き続き、周辺海域で起きている海水温の上昇です。平年、15度前後の海水温は、今年も4〜5度ほど高い状況。魚によっては、水揚げ高も散々です。
北海道・森町では、毎年、秋サケの販売や、ちゃんちゃん焼きが無料でふるまわれるお祭が開催されていますが、今年は中止になりました。例年、数千匹単位でとれるというサケが、数匹しかとれないという異常さです。
地元の漁師
「季節を追うごとにサケが帰ってきて、みんなでワァっと盛り上がるけど、今年はブリばかりとか、そんな感じ。自然に合わせた漁獲方法とか操業を考えていかないと生き残っていけない」
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■天然キノコ 2割しか採れず山梨県笛吹市で、いままさに最盛期を迎えているキノコとりに同行させてもらうと、異変は、山でも起きていました。
険しい斜面を歩くこと1時間。秋の味覚の代名詞“マツタケ”が姿を現しました。しかし、これ以降、なかなか山中では、他のキノコは見つかりません。
農業生産法人『農楽人』 神宮司孝之代表
「(Q.例年の収穫の何割)2割くらいしかないよ。もう本当に大したことないな。9月に雨が降らないことと、暑くなったことはかなり影響している」
周辺地域の雨量を調べると、先月の総降水量は17.5ミリと記録的な少さでした。
さらに、キクイムシによって樹木が枯れてしまう“ナラ枯れ”。温暖化の影響で広がっているといい、山では、これまでとれいたキノコがとれなくなっているそうです。
長年、ボランティアで山の保護を行ってきた神宮司さんも危機感を募らせています。
農業生産法人『農楽人』 神宮司孝之代表
「(四季が)夏と冬くらいしか、温度の変化も激しい。ついこの間まで夏日、真夏日なんて。キノコも(必死に)対応していると思うのよ、暑さに。何とかしたいって気持ちもあるし、自然を守りたいから保護活動もボランティアでやっている」
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