生活保護の申請件数が4年連続で増加している一方で、保護率は減少しています。

 物価高に上がらない賃金。生活の困窮を訴える声があふれるなか、厚生労働省は2023年度の生活保護の申請件数を公表しました。

 なんと、その数はおよそ25万、4年連続で増加しているのです。

 しかしその一方、問題視されているのが「水際作戦」。

 人口1000人あたりの生活保護率を色分けし、見える化した地図。過去10年間の保護率が減少傾向ならば赤、増加傾向ならば緑で表示されるのですが、周囲よりひときわ赤く表示されている群馬県桐生市。「水際作戦」の可能性が指摘されているのです。

桐生市 飯島英規市議
「生活保護の適正化を図ろうということで、受給者の自立に向けた支援や受給者への手続きなどを強化するとともに、他法、他施策の活用も徹底した結果、保護世帯数が減ったのではないかと考える職員が多くいた。これ新しい事実なんです」

 群馬県の特別監査によりますと、収入が最低基準を下回っているにもかかわらず「家族と協力して暮らせば困窮しない」と伝え、申請させないなどのケースが多数…。

 2012年度からの10年間でおよそ42%も減少しました。

 市が行った元職員らへの聞き取り調査では、保護数や新規申請の抑制のため「厳しい指導をした管理職がいた」との回答が。

 しかし、こうした事態は桐生市に限った話ではありません。

X(旧ツイッター)への投稿
「若いのに働けないのかと何度も聞かれ、挙句にまた来いと。無理だから来たのに」
「定年後、家族2人で収入12万でもダメ。それで生活できると?」

 国民の生活を支えるセーフティネットの一つ、生活保護。生活困窮の声が増えている今、果たして機能しているのでしょうか。

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