栃木県の佐野市役所入口に設置されたクーリングシェルターを示すポスター(左上)と熱中症予防を呼び掛けるさのまるの看板=2024年4月23日午前11時33分、太田穣撮影

 危険な暑さが予測される際に国が発表する「熱中症特別警戒アラート」の運用が始まった24日、栃木県佐野市は、市民らが暑さをしのぐための「涼み処」に位置付けていた庁舎や公民館などを発表時に避難する「クーリングシェルター」に指定し、受け入れ態勢を整えた。シェルターは32カ所で、今年の運用期間の10月23日までアラート発表の有無にかかわらず利用できる。

 同市では2022年7月1日、県内最高の気温39・9度を観測。昨年も35度以上の猛暑日が42日、30度以上の真夏日が53日、25度以上の夏日が51日で、1年の4割が夏日以上を記録した。このため、市は昨年6月、熱中症などで体調不良を感じた人の避暑、休養に利用してもらおうと市有施設約40カ所を「涼み処」に位置付け、段階的に開放した。

 一方、クーリングシェルターは特別警戒アラートとともに、1日に施行された改正気候変動適応法に盛り込まれた。環境省が、翌日の気温や日差しの強さなどの予測値を踏まえた「暑さ指数」に基づき前日にアラートを発表した場合、市区町村は当日、事前に指定していた冷房付きの公共施設などを暑熱避難施設として開放する。

 役割は涼み処とほぼ同じで、市は運用していた涼み処のうち29カ所と新たな3施設をシェルターに指定。4月17日には施設の担当者らが運用について確認した。国はシェルターの開放をアラート発表当日としているが、市は利用者が暑さで避難の必要を感じた場合、各施設の業務時間内なら常時受け入れる。

 施設一覧は市ホームページで公開。担当の気候変動対策課は「観光客にはクーリングシェルターの方が『涼み処』より分かりやすい。ためらわず利用してほしい」と話している。問い合わせは同課(0283・85・7302)。【太田穣】

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