大阪府岸和田市の障害者支援施設「岸和田光生療護園」で2月、入所者を繰り返し暴行したとして、大阪府警は25日、20代の男性職員ら3人を暴力行為等処罰法違反(常習暴行)容疑で逮捕した。府警は入所者が職員らから日常的に虐待されたとみて経緯を調べる。
捜査1課によると、逮捕されたのは介護士の白間慎吾(26)▽ベトナム国籍で施設職員のドン・ドゥック・カイン(28)▽同、ダン・タイン・ズオン(24)――の3容疑者。逮捕容疑は施設内で2月下旬、それぞれが別の機会に、身体・知的障害がある入所者の男性(当時50歳)の顔を殴ったり、体を足で蹴ったりする暴行を繰り返したとしている。男性にけがはなかった。ズオン容疑者は「全く心当たりがありません」と容疑を否認。他の2人は認めているという。府警はもう1人の職員も関与したとみている。
捜査関係者によると、入所者の男性は3月上旬、施設内でぐったりした状態で見つかり、死亡が確認された。医師の診断では病死とされた。しかし、遺族から死亡の経緯を調べるよう要望があり、施設関係者が府警に通報。常習暴行の疑いがある4人とは別の職員から、死亡直前に暴力を受けたとみられる様子が防犯カメラの映像に残っていた。この職員は3月下旬、府内で死亡しているのが見つかった。状況から自殺とみられる。
逮捕された3人による行為も、防犯カメラの映像を解析して発覚。数日間にわたって暴行を繰り返す様子が確認されたことから、府警は悪質性が高いと判断し、刑法の暴行容疑より法定刑が重い暴力行為等処罰法違反(常習暴行)容疑を適用した。
岸和田光生療護園は岸和田市の社会福祉法人「光生会」が運営し、定員99人。光生会はもう一つの系列法人とともに、大阪府内で介護老人福祉施設や放課後等デイサービス事業などを手がけている。【林みづき、斉藤朋恵】
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