逃走中、6回もタクシーを乗り換えていた森田容疑者。専門家は一度、犯罪に加わったら抜けられない指示役による「支配の実態」を指摘しています。
■相次ぐ強盗 容疑者“確保の瞬間”
ドライブレコーダーに捉えられた確保の瞬間。雨の中、パトカーの横に警察官数人が立っていて、警察官の1人はパトカーの後部座席に向かって話しているようにも見えます。
近所で働く人
「何時かは分からないけど、夕方くらい」
「(Q.男の様子などは?)全然見てない、分からなかった」
東京と埼玉県で緊縛強盗が相次ぐなか、埼玉県所沢市の事件で公開手配され、逃走を続けていた森田梨公哉容疑者(24)。確保されたのは遠く離れた新潟県柏崎市でした。
■なぜ?タクシーを6回も乗り換え
事件後、東京と埼玉県の各地を6回、タクシーを乗り継いで移動したという森田容疑者。なぜ、新潟県にたどり着いたのでしょうか。
元埼玉県警捜査1課 佐々木成三氏
「指示役からかなり的確な指示というか、アドバイスを受けて逃走している可能性はある」
元刑事が推察したのは事件後も続く抜け出せない“闇バイトの支配”でした。
■報酬もらいに行くと 新たな強盗を…
1日、埼玉県所沢市の住宅に押し入り、80代の夫婦を縛ってけがをさせ、現金などを奪った疑いが持たれている森田容疑者。闇バイトに応募して実行役になったとみられます。
森田梨公哉容疑者の供述
「生活がぎりぎりで、生活費がほしくてやった」
所沢市の事件前日、東京・国分寺市でも緊縛強盗事件があり、森田容疑者は国分寺市の事件についても犯行をほのめかす供述をしているといいます。
実は、所沢市の事件現場に行った目的は強盗ではなかったというのです。
森田梨公哉容疑者の供述
「報酬を受け取る約束で行ったが、強盗を指示され、断れなかった」
警察は国分寺市の事件の報酬をもらいに所沢市の現場に行き、強盗を指示されたとみています。
事件後、森田容疑者は現場から逃走。その方法はタクシーを小刻みに乗り継ぐというものでした。
森田容疑者は現場から直線距離で約9キロ離れた東京の新小平駅でタクシーに乗ると、わずか10分ほど行った東京・東村山市で降りたといいます。
関係者によりますと、周辺の宿泊施設に滞在したといいます。
10時間後、東村山市から再び埼玉県に。タクシーで所沢市の事件現場方向で西の埼玉県狭山市に行き、タクシーを乗り換えると今度は東の埼玉県三郷市に。
その後、さいたま市西区、中央区、大宮駅とタクシーを乗り継ぎながら移動したというのです。
新小平駅からタクシーを6回も乗り継ぎ、すべて現金で支払ったといいます。
そして、大宮駅から新幹線で仙台市に入ったといいます。
■元刑事が指摘闇バイト「支配の実態」
元埼玉県警捜査1課 佐々木成三氏
「(Q.なぜタクシーを複数回、乗り換えて大宮へ?)これは捜査の攪乱(かくらん)以外ない」
なぜ、森田容疑者は直接、新潟県に向かわなかったのでしょうか。
元埼玉県警捜査1課 佐々木成三氏
「(指示役が)さらなる犯行で、お金をどんどん上納させようと、場所を転々とさせていた方が、矛盾はないと感じている」
森田容疑者は驚くべきことに逃走中にも闇バイトに手を染めていたというのです。現金などを受け取る“受け子”をしていたといいます。
元埼玉県警捜査1課 佐々木成三氏
「一度、犯罪に加わったことも指示役からすると弱み(を握ったことに)。もう抜けれないという状況」
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