公開手配された緊縛強盗事件の実行犯の男。東京や埼玉で相次ぐ3つの事件。これらの事件の黒幕はどんな人物なのでしょうか。

■SNS同じアカウントで指示か

元埼玉県警捜査1課 佐々木成三氏
「去年、国内を震撼させたルフィ関連グループと同様のシステムを持っている犯罪グループだと思う」

 専門家が指摘するのは組織での犯行です。捜査関係者によりますと、逮捕された実行役の男が3つの事件について秘匿性の高いアプリの同じアカウントから指示を受けていたとみられることが分かりました。

 警察は、指示役は同じ可能性があるとみています。

 3つの事件とは、まず先月18日、さいたま市。3人組の男が住宅に押し入り、80代と60代の女性を縛り、現金などを奪いました。

 逮捕された容疑者4人全員が闇バイトで集まり、捜査関係者によりますと、逮捕された配送業の男は当初、このような書き込みへのアクセスをしたといいます。

闇バイト募集の書き込み
「ドライバーの仕事」「ホワイト案件」

 半月後の先月30日、東京・国分寺市の事件では一人暮らしの60代女性が襲われました。

被害女性(60代)
「たんす預金の現金数百万円が盗まれた」

 その翌日の1日、埼玉県所沢市で起きた事件では、85歳と83歳の夫婦が被害に遭いました。

 近くでは、国分寺市の事件で使われたとみられる車が見つかりました。

 押し入ったのは4人とみられ、3人が逮捕されています。

 逃走中のことです。逮捕された男の1人は、指示役から電話でこう脅されたといいます。

事件の指示役
「逃げてんじゃねぇ」

 実行役の1人は、犯行から2時間後に現場周辺にタクシーで戻ったところを確保されました。

 所沢市の事件を巡っては3日、逃走中の森田梨公哉容疑者(24)が公開手配されました。

 捜査関係者によりますと、森田容疑者は国分寺市の事件現場付近の防犯カメラにも映っていたことが分かっています。

 手口についての共通点も多く、実行役を闇バイトで集め高齢者の住宅を狙う、窓ガラスを割って侵入する点などです。

近所の人
「高齢者が狙われるって多いですよね。うち2人で住んでますからね。お互いに鍵は閉めようねというのを徹底するようにしてます」

■3つの緊縛強盗“黒幕”は誰?

 組織的な犯行と指摘する専門家は、犯罪グループの中枢について「ルフィ」などを名乗った特殊詐欺事件と同様のシステムを持ったグループではないかと指摘します。

 さらに、去年、白昼の銀座で行われた強盗事件についても、実行犯は逮捕されていますが、指示役は分かっていません。

 実行役が次々と逮捕されるなか、その指示役に迫りました。

 去年、白昼の銀座で高級時計店が襲われた事件。闇バイトで集まった実行役は逮捕されましたが、犯罪を計画した人物は分かっていません。

 白昼の店を狙った荒っぽい手口に対し、今回、東京都と埼玉県で起きた3つの事件は、いずれも未明や夜明け前で、店ではなく住宅です。

元埼玉県警捜査1課 佐々木成三氏
「闇バイトに入って貴金属(店)に強盗して捕まる人が増えている。ニュースでも多く取り上げているので闇バイトを手伝う者もひるむように。貴金属店に入ることはちゅうちょしてしまう。その中で捕まるリスクが低く誘導しやすい指示役が一般住宅・高齢化・一人暮らしを対象に実行犯を脅し、実行させている」

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