新潟県は24日、東京電力柏崎刈羽原発が県内経済にもたらす効果の推計結果を公表した。6、7号機について、再稼働が仮に10年間継続した場合の経済波及効果は稼働停止時の約1・47倍だった。東電とその協力会社の県内従事者数は再稼働時は稼働停止時の約1・59倍だった。【木下訓明】
調査は、「県内への経済波及効果」「原発関連の税・交付金等による収入」「県内従事者数」の3項目について、柏崎刈羽原発6、7号機の「再稼働時」▽1~7号機全ての「廃炉時」▽全機の「稼働停止時」――の3パターンをそれぞれ推計・比較した。
経済波及効果は、再稼働時が4396億円、廃炉時が1262億円、稼働停止時が2984億円。再稼働時と稼働停止時の差は1412億円だった。
税・交付金などの収入は、再稼働時が3216億円、廃炉時が802億円、稼働停止時が2735億円。
県内従事者数は、再稼働時が4680人、廃炉時が1986人、稼働停止時が2932人。再稼働時と稼働停止時の差は1748人だった。
調査は野村総研に委託(委託費1749万円)。経済波及効果は、1年間に一定の地域で行われた財・サービスの産業間での取引、産業と最終需要部門との取引を一つの表にまとめた県の「産業連関表」の最新版(2015年)を用い、2次波及効果まで推計。東電も非公表を含むデータを提供するなど協力したという。
推計結果について、花角英世知事は24日の記者会見で「調査の結果はこれからの再稼働に関する議論の材料の一つになる」と指摘。一方で「これで何か全て決まるというものではない」とも強調した。原発事故時の屋内退避の運用を見直す原子力規制委員会の検討チームが22日に始動したことを挙げて「まだまだ(判断)材料はこれから出てくる」と述べた。
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