岐阜県池田町の女性職員らが岡崎和夫町長(76)からセクハラ行為を受けたと訴えている問題で、弁護士3人でつくる第三者調査委員会は24日、計15人の女性職員に対する岡崎町長のセクハラ行為を認定し、「辞職相当」と意見を付けた調査報告書を町に提出した。岡崎町長は辞職する意向を固め、25日に記者会見し、正式表明する。【太田圭介、稲垣洋介】
調査は町職員や元職員の計843人にアンケートを実施。56・3%にあたる475人から回答を得た。また、女性職員36人に一斉ヒアリング、男女13人に個別ヒアリングした。
セクハラの訴えに関しては録音や録画などの客観的証拠が存在しないため、人物を特定できた人を対象に、委員2人以上が直接ヒアリング。得られた供述を事実認定の主な証拠とした。報告書によると、認定されたセクハラ行為は2009年~21年にわたり、「被害者は町長に明確な拒否態度を示しづらい若手職員という傾向がみられた」としている。
15人に対するセクハラ行為のうち、「特に深刻な被害」と認定したのが、14年ごろ、職員を4日連続で町長室に呼び出し、体を触ったケース。初日は両手で握手、2日目は職員の二の腕を両手でマッサージするように上下に触った。
さらに3日目は職員の横に来て「細いね。食べとる?」と言いながら、腰を曲げる姿勢で職員の太ももをズボンの上から両手でもむように触り、4日目には、町長室に入った職員の横へ来て、いきなりズボンの上から直接陰部を触って来て「なんか思うか?」と尋ねてきたという。職員は町長室を出た後、人目につかない場所で泣いたという。
岡崎町長は「激励の意味で握手したり、通りすがりに肩をたたいたりすることはあったかもしれない」と行為の一部を認めたが、それ以外は否定した。第三者委は「言動を内省し、改善する態度が見受けられない」と指摘。辞職相当であるとしたほか「懲戒処分としては免職が相当と考えられる」と結論付けた。
記者会見した第三者委の幅隆彦委員長は「町長のセクハラへの認識に問題があった」と指摘。牛嶋勝一副町長は「自分はセクハラに気づかなかった」などと釈明した。
また、セクハラ被害を受けた職員と元職員も岐阜市内で記者会見。岡崎町長が辞職の意向を示していることについて「当然の判断」「セクハラを積み上げてきた事実は変わらず、やめて解決するわけではない」と話した。
町議会事務局によると、岡崎町長から25日に議長宛てに辞職願を提出する連絡があったという。岡崎町長は町職員を経て03年に就任し、現在6期目。
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