世界平和統一家庭連合(旧統一教会)=東京都渋谷区で2022年10月20日、丸山博撮影

 鹿児島市の繁華街・天文館で11月2、3日にある「おはら祭」の踊り連(踊り手グループ)として参加を申し込んでいた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の鹿児島家庭教会は1日、市から参加を拒否されたと明らかにした。市は同教会に対し「公序良俗違反」を理由に挙げたという。

 教会側は約80人の参加を申し込み、参加を認めるよう求める要望書と嘆願書を市に提出していた。市は「参加申し込みがあったかも含め、何も公表しない」としている。

 鹿児島家庭教会はおはら祭りに2019、20、23年に踊り連として参加。約70人で参加した23年の終了後に参加が報道され、おはら祭振興会事務局の鹿児島市には30件以上の抗議が寄せられた。

 市は今年から参加を拒否する要件を新設。「反社会的団体」「公序良俗に反する行為や法に抵触する行為など参加がふさわしくないと判断した踊り連」「祭りの開催に支障を来す」など7項目を設けた。

 同教会によると市は1日、7項目のうち「公序良俗違反」に当てはまるとの見解を教会側に示した。世界平和統一家庭連合に対し元信者の女性の遺族が起こした損害賠償訴訟で最高裁が7月、教団側勝訴の判決を破棄し、高裁に審理を差し戻したことを論拠にしたという。

 鹿児島家庭教会の川原史行(ふみゆき)・教会長は「最高裁は高裁に差し戻したに過ぎず、確定判決ではない」とし「公序良俗違反の論拠にならない。市の判断を公表しないのも無責任だ」としている。

 旧統一教会を巡っては、高額献金や霊感商法などの金銭トラブルが問題となり、文部科学省が23年10月、教団の解散命令を東京地裁に請求。現在も審理が続いている。【梅山崇】

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