京都市交通局は27日、市バス運転士が確保できなくなっているとして「非常事態宣言」を初めて出した。採用活動が振るわず、10年ぶりとなる大規模なダイヤ改定をした6月以降、少ない人員で休日出勤や超過勤務でしのぐ状況が顕在化し、「担い手不足が市バスにも及んでいると知っていただき危機を打開したい」としている。
市交通局によると、現行ダイヤと路線を維持するには880人の運転士が必要だが、9月1日時点で50人が不足している。コロナ禍前は計画的な採用で人員不足は目立たなかったが、今月実施した採用試験では約70人の募集に対して受験者が44人にとどまり充足の見込みが立っていない。
市バス810両のうち、4割は運行を民間バス会社に委託。現役運転士の奪い合いを避けるため、24年度からの正職員採用は、大型二種免許がない人に限っている。離職者は本年度だけで40人に上る見込みで、定年退職者も毎年10人近くいるという。今後、公休日を増やすなど待遇改善を図ろうとすると計158人の増員が必要という。
緊急措置として本年度3回目となる採用試験を11月に実施。あらためて約70人を募集し、離職防止策も検討する。【南陽子】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。