静岡地裁の国井恒志裁判長=代表撮影

 袴田巌さん再審を裁いた国井恒志裁判長(58)は、1994年に任官したベテラン刑事裁判官。前橋地裁部総括判事を経て、2021年10月に現職の静岡地裁部総括判事に着任した。再審公判は初公判から担当した。

 14年3月、名古屋地裁岡崎支部の裁判長として、心神喪失を理由に審理途中で公判手続きが停止していた被告の審理を約17年ぶりに再開し、起訴が取り消されていないのに、独自に裁判を打ち切る異例の判断をした。

 24年7月には、静岡県牧之原市の認定こども園で、送迎バスに園児を取り残し熱中症で死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた元園長に禁錮1年4月の実刑判決を言い渡し、「子どもを守る大切さを考えなければいけない」と説諭した。

 ある刑事裁判官は「検察側、弁護側双方に目配りし、冷静に審理を進める」と評する。【菅野蘭】

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