東京都内で24日「水道水から異臭がする」との連絡が住民から相次ぎました。場所は墨田区と港区の一部。なぜ離れた地域で異臭騒ぎが起きたのか。都がその原因を発表しました。


■“シンナーや油の臭い”相次ぐ

24日午前、シンナーや油のような臭いがすると相次いで連絡が入りました。異臭が確認されたのは、墨田区墨田5丁目と港区海岸3丁目の一部地域。離れた場所で発生したことが分かります。

東京都は、異臭が確認された約420軒の住民に対して一時、水道水を飲むのを控えるよう呼び掛け、給水車を出すなどして対応にあたりました。

住民
「(Q.ご飯はこの水を使った)そう。(Q.体に異常は)別にない」

水道管からの水を捨てる作業を行った結果、臭いはなくなり、港区では25日午前2時半、墨田区では午前3時50分に飲むのを控える呼び掛けが解消されました。

離れた場所で同時に起きた異臭騒動。東京都は、墨田区と港区では水が供給されるルートが違うため、それぞれの異臭に関係性はないとみています。


■“管の行き止まり”に水が滞留

一方で、ある共通点が浮かび上がっています。異臭騒動があった2カ所は、浄水場から水が供給されるエリアの末端。いわば“水道管の行き止まり”の場所でした。

給水所から各家庭などに水を届ける水道管は地区ごとに区切られていて、その境目では別の地区に水が流れないようバルブが閉められています。行き止まりとなった場所には水が滞留。この長期間放置された水が異臭を発生させ、何らかの理由で逆流したのではないかとみられています。

中央大学理工学部 山村寛教授
「水道管の端っこで水が滞留することは全国どこにでもある。水道事業体が定期的に水を排水したりとかして、滞留をなくすよう維持管理をしています」

異臭を発生させないためには、定期的に水を捨てる必要があるといいます。

中央大学理工学部 山村寛教授
「具体的に水に何が入っていたかは分析しないと分からないが、油であったりすると管路の接続の時にグリスを塗ることもある。その可能性はあるのかなというふうには思います」

東京都水道局に確認したところ、今回異臭騒ぎがあった2カ所については、滞留した水を捨てていなかったということです。今後は排水作業を拡充していくとしています。

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