大阪地裁=大阪市北区で、曽根田和久撮影

 奈良県御所(ごせ)市発注の火葬場新設工事を巡り、特定業者が受注できるように便宜を図った見返りに現金計7500万円を受け取ったとして、加重収賄罪に問われた元市議の小松久展(ひさのぶ)被告(72)の論告求刑公判が25日、大阪地裁(大森直子裁判長)であった。検察側は懲役7年を求刑。弁護側は現金は賄賂ではないとして無罪を訴えて結審した。判決は12月10日。

 起訴状によると、市議だった被告は2020年7月の市議会で、市内の建設会社を代表とする企業グループ(JV)が受注する事前合意があると知りながら、工事請負に関する議案に賛成。21年に建設会社幹部だった2人=贈賄罪で有罪確定=から現金計7500万円を受け取ったとされる。

 検察側は論告で「賄賂額は極めて多額。構造的な汚職事件で悪質だ」と指摘。弁護側は「受注を目指したJV側が被告を利用しようとしたが、被告は何もしていない」と述べた。

 この事件は大阪地検特捜部が立件。捜査に協力する代わりに刑事処分の減免する司法取引(合意制度)が適用され、受注に協力したとされるコンサル会社員との間で取引が成立した。【高良駿輔】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。